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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔22
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イトはもったいぶるように言葉を切ると、ワインをあおって喉を潤す。一気に話さず、間を開けたことで、学生たちの意識がこちらにより集中するのが感じられた。

「それに、なんだね?」

「噂で聞いたんだが、兵が不足した場合、トリステイン魔法学院にいる女子生徒たちが補充要員としてここに来ることになっているそうだ」

男子たちの息を飲む気配を感じる。サイトはたたみかけるように話す。

「どうだ? 簡単には死ねないと思わないか? お前たちが死ぬということは、学院に残してきた大切な恋人が、戦場の最前線に送られてくるということなんだからな。死神が常に隣に座っている殺し合いの世界に」

名誉のために命をかけると騒いでいた学生たちが静かになった。

「モンモランシーも戦場に出るってことかい?」

「ああ、彼女は『水』でドットだから、最前線はないだろうが、危険な場所に配属されることは間違いないな」

ギーシュの問いに声音を変えることなく、即答した。

「これは死ねないな。今回は、名誉の死をあきらめないといけないみたいだ。彼女が戦場に出るようなことあっていいわけがないからね」

つぶやくようなギーシュの声を聞き、彼らが死ねないと思うよう誘導できたことを確信した。
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