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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔22
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ただろう。ジュリオはサイトにとって“嫌いな人間”だと…


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会議のすぐあとに任務に向かったリカネサンス隊からの情報を受け取ったサイトは、その内容に目を細めた。
今回は、あの艦隊戦の時に報告に来た竜騎士率いる隊だけでなく、潜入調査を専門とする隊まで使い、徹底的に情報を集めた。

(サウスゴーダには、亜種が多すぎるな。あと、食料の強奪…
それに砦や城にいる兵の量が少ない…これじゃ、維持でやっとだ……強行軍で行った方が良かったか?
いや、砦とかを捨てて攻めてくる可能性もあるから、サウスゴーダを目指すべきだな)

ある程度まとまった考えを紙に書き、それから、ド・ポワチエ将軍に言わせる士気向上を狙った激励文の作成を行い、きりが良くなったところで天幕を出た。すでに日は沈んでから相当時間がたっており、月も真上よりやや西に傾いていた。
見張りなどの夜勤の兵士以外、起きているものなど、いないような時間、サイトは寒さを感じつつ歩き始める。
フラフラとさまよい、広場に出た時、どこかで見た金髪を見つけた。

「ギーシュ」

「あ、バケモノじゃないか。こんな時間にどうしたんだい?」

彼の中でサイトの呼称はバケモノになっているようだ。

「その言葉、そっくりそのまま返させてもらう」

「ボクは上陸部隊で中隊長を任されたんだ。だから、あの艦隊戦には参加していないんだ。
で、そろそろ、進軍を開始するって話を聞いてね。ついにボクも戦場に立つ時が来たんだって思ったり、隊長としての責任を思うと、寝られなくなってこうしてここにいるわけさ」

「…別に緊張する必要なんてない。あの、宝探しの時と同じだと思え」

「宝探しの時?」

「あのとき、おまえは何度も戦場に出て戦ったんだ。規模が大きくなったからって焦る必要はない。結局、突き詰めれば殺し合い以外の何物でもないんだしな」

ギーシュは目を閉じて宝探しの時のことを思い出した。あのときは、焦ってしまった自分のせいで作戦がダメになり、サイトに殴られた。
その時の痛みを思い出すと、なんだか緊張が薄れた気がした。

「……君と話せてよかったよ。これなら、ちゃんと寝むれそうな気がする」

「そうか」

立ち上がって去っていこうとするギーシュを見つめながら、ふと思い出したかのように声をかけた。

「ギーシュ」

「なんだい?」

「隊長の一番大切なことは、絶対に弱気を見せないことだ。指揮をとったりするのは場馴れした副官にでも任せておけ、隊長がどっしりと構えていれば、部下は大丈夫だと安心できる。そうすれば、自然と士気は高まる」

「わかった。助言、ありがとう」

礼を言って去っていくギーシュを今度こそ見送り
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