オルフェノクの使い魔22
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の意見を組み合わせると、このルートが割り出せますが、どうでしょう?」
二人がオオと声をもらし、ド・ポワチエ将軍はその線上にある都市の名を呟いた。
「シティオブサウスゴーダ…観光名所の古都だな」
「はい。こちらの補給路を確保したうえで最短で攻略戦を行うのならば、ここを確保するのが一番だと判断しました」
「ならば、五千をロサイスに残して補給路と退路の確保、残りを攻略に参加させる。空軍にはそれを全力で支援。もちろん、敵の主力が出てくれば、決戦だ」
ミズチの案を採用したらしく、ド・ポワチエ将軍は将軍侯爵、参謀総長に指示を出す。その様子を見てから、ミズチは立ち上がった。
「さっそく、リカネサンス隊に偵察に向かわせます」
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会議を終え、自分たちの天幕に戻ろうと、本部として使っている建物を出たところで、ルイズはふいに目の前に現れた青年とぶつかった。
「キャッ!」
「ッと」
よろめいたルイズは受け止めてくれたサイトに礼を言い、ぶつかった青年に文句を言おうとして、青年を睨んで思考が止まった。
ルイズがぶつかった青年は、驚くくらいの美形だった。彼を作るパーツ一つ一つが美しく、中でも、髪の間からわずかに見える鳶色と隠れていない碧眼のオッドアイが目を引いた。
「ケガはないかい?」
女と間違えてしまいそうな美声に青年に見惚れていたルイズは、ハッと意識を戻した。
「え、ええ!! 大丈夫よ!」
「それは良かった」
にっこりと青年はほほ笑んだ。その笑みにルイズの頬が思わず赤くなる。そのため、サイトの目が僅かばかり鋭くなったことに気がつかなかった。
「ボクはジュリオ・チェザーレ、ロマリアの神官さ」
青年は自己紹介をすると、ルイズの前に片膝をついた。
「あなたがミス・ヴァリエール? 噂どおりだね! なんて美しい!」
そう言うとジュリオはルイズの手をとって口付けした。口づけをされたルイズの頬は、本人の意識のないところで真っ赤に染まった。
それから立ち上がり、サイトに視線を移した。
「君が噂の使い魔、サイトーンくんだね?」
「俺の名は、サイトだ。そのサイトーンとやらを探しているんなら、人違いだ」
「すまない! 名前を間違えるなんて大変な失礼をした」
ジュリオは大仰な身振りでのけぞり、優雅に一礼した。そして、右手を差し出した。
「君とは一度、あってみたかったんだ。許してくれないかい?」
「すまないが、俺たちは、軍議で疲れているんだ、帰らせてもらう」
サイトは、その手に気付かなかったかのようにジュリオを避けて天幕に歩き出した。
このとき、キュルケがここにいれば、気付い
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