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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔21
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様、オールド・オスマン殿やミズチ殿を騙していて善人面をしていたのか? 何と厚顔無恥なやつだ」

そう吐き捨てて去ろうとしたアニエスにオスマンが声をかけた。

「そのミズチという男はどうか知らんが、ワシは知っとったよ」
(まぁ、サイト殿のことじゃから何らかの方法で知っているじゃろうけどな)

「ならなぜ、この殺人鬼に教師などさせている!!」

「何故? 魔法研究所実験小隊の隊長をやっとった男じゃぞ。そんな優秀な男を優秀な人材育成のため、優秀な教師を求めているワシが拾わんわけがなかろう。
それにのぉ、銃士隊長殿。彼は殺人鬼ではない、軍人だっただけじゃ」

「軍人だっただけだと!?」

アニエスは、射殺さんばかりに殺気を込め、オスマンを睨みつけた。

「そうじゃ、彼は軍人として命令を実行したまでじゃ。隊長殿だって命令されれば、生まれたばかりの赤子から老いた老人までを手にかけねばならん」

「そんな言葉で割り切れるか!!」

「割りきれとは言ってはおらんよ。理解せよと言っておる」

「ッッ!!! ……こいつらを、連れて行け…」

無理やり感情を押し殺したような声で部下に指示を出し、アニエスは出て行った。

「申し訳ありません。オールド・オスマン」

「気にすることなど何もない。大事な人材を失うわけにはいかんからの」

「…ありがとうございます」

髭をなでながら答えるオスマンにコルベールは深々と頭を下げた。


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