オルフェノクの使い魔21
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た。
「シエスタ、ここは僕がやる。君は中に入った二人を追いかけてくれ」
「はい!」
デルタはうなずくと、メンヌヴィルたちが入って行った窓に跳んだ。ジャンプ力38mを誇るデルタにとってこの程度なんてことないのだった。
一人残ったカイザは侵入者二人と対峙した。
「あんまり長々と相手をするつもりはないんだ。サッサと決めさせてもらうよ」
――― Enter ―――
<Exceed Charge>
ダブルストリームを光が駆け抜け、右手に持ったカイザブレイガンへとチャージされた。
侵入者たちの放つ魔法を跳んで避け、次々と侵入者たちをポイントし、カイザはブレイガンを手に低く構え、光となって駆け抜ける。
光に斬られた侵入者たちは、Χの紋章を刻みつけ、青い炎をあげて灰になった。
―――――――――――――――――――――――――――
「なかなか、頭が回るやつがいるじゃないかと思っていたが、まさか、隊長殿がいるとは思わなかったよ! メンヌヴィルだ、隊長殿!! 」
デルタが本塔に飛び込み、侵入者たちを探していると、侵入者たちはすでに生徒たちを発見し、人質を取っていた。近くに怪我をして呻いている銃士隊の隊員やすでに死んでしまっている隊員がいた。
彼女が隠れている物陰とは別の場所にオスマンや、銃士隊の隊員たちの姿も見えた。突入するタイミングをはかっているようだ。
侵入者のリーダー格と思われる男は、人質にならずに済んだ生徒や先生たちをかばうように立つコルベールに気付いてとてもうれしそうに笑っていた。
「あの、女子供関係なく顔色一つ変えることなく平然と焼き払ってきた男が、教師? 何の冗談だ、魔法研究所実験小隊隊長・ジャン・コルベール?
ああ…もう隊長じゃないから元隊長か!」
「……」
魔法研究所実験小隊隊長、その言葉を聞き、アニエスの殺意が侵入者ではなくコルベールへと変わった。
「ダングルテールの作戦、あれが疫病発生というのは嘘で、本当は新教徒狩りだったということは知っているかね?」
コルベールは、ゆっくりと問いかけた。
「ん? ああ、それが?」
「私はその事実を知ってから、毎日罪の意識にさいなまれた。
確かに、私は君の言ったとおり、女子供、見境無く焼いた。
許されることではない。忘れたことは、ただの一時とてなかった。
私はそれで軍をやめた。二度と炎を破壊の為に使うまいと誓った」
「……」
コルベールの告白にメンヌヴィルは少し茫然とした顔をしたが、杖を持っていないほうの手で口を覆った。
「クククク…ハハハハハハハハハハハハ!!!」
耐えられなくなったのは、口を覆うこともやめてメンヌヴィルは大声で笑った。
「何がおかしいっていうのよ
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