オルフェノクの使い魔21
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「フムフム…」
「どうされました? オールド・オスマン」
先ほどの爆発から本塔内は慌ただしくなった。敵に悟られないため、明かりをつけていない学院長室に集まっていたコルベールとアニエスは、使い魔から何か知らせを受けているらしいオスマンに視線を集める。
「賊が来たそうじゃ。艦は落としたらしいが、10人ほど侵入されたそうじゃ。ウェールズくんとシエスタくんで迎撃に向かった」
「…通常ならば、学生寮を攻めて学生を人質にして教員たちを降伏させるのが常套手段ですね」
顎に手を当てて、敵の戦略を予測するコルベールの声を聞き、アニエスが部下たちに本塔から学生寮に向かうであろう敵の狙撃を指示した。
「さてと、アニエス銃士隊長殿、ワシが表門を警備するとしよう。浮いた分の人員で他の場所の警護を固めるのじゃ」
「御一人で大丈夫ですか?」
「力比べならば、幼子にも負けてしまうじゃろうが、魔法比べならば、今でもそう簡単に負けはせんと自負しておるぞ。それにウチの警備兵もつれてゆく」
袖をまくり、枯れ木のような腕を見せてニカッと笑ってからオスマンは立ち上がり、扉に手をかけたところで振り返った。
「二人とも、いかなることがあっても、子供たちに怪我をさせてはならんぞ」
「わかっております。オールド・オスマンもお気をつけて」
「了解…」
うなずくコルベールと敬礼するアニエスに見送られて、オスマンは部屋を出て行った。
オスマンを見送ると、アニエスは、表門に配置していた人員を他方に回し、自身も銃を取り、現場に向かう。コルベールは生徒の誘導と、事前に声をかけておいた水系統の魔法が使える教員と生徒からなる救護班の指揮を執るため、行動を開始した。
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侵入者たちは、学生寮に侵入した。だが、そこは物音一つしない空間だった。先ほど、彼らが乗ってきた艦の爆発音はとても大きかった。起きた者がいてもおかしくない、いや、起きていないとおかしい。だから、強引な方法を取る必要があるだろうと予想していた侵入者たちは、その雰囲気に疑問を抱いた。
男子寮と間違えたのかと確認してみるが、間違いなく、そこは女子寮だった。
生徒たちが全員実家に帰ったという情報は来ていない。ならば、何故、こうも静かなのだろう? そう思いながらも雇われ傭兵として依頼を遂行するため、出入り口に仲間を2人残し、8人で学生寮に侵入。
二人一組になって各階を探っていく。
一階を担当になった二人は、一つ一つ部屋を開けて行く。
「おい、誰もいないぜ」
「ああ、どうなってんだ?」
「まさか、全員でどっかのパーティに行ったとか言わねぇよなぁ…」
「マジ
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