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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔21
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ールズ、それと、オスマンの使い魔モートソグニルがいた。

「ふぁ〜っと」

人間以上の感覚を持つ二人には、暗闇であっても何の問題もないため、ここで見張りをしていたのだ。
大きな欠伸をしたシエスタは、ウェールズの視線に気づき、慌てて口を押さえた。

「クスクス…」

「もぉ、笑わないでくださいよぉ」

「スマナイ。でも、こんなところで見張りなんだ。退屈だよね」

「はい。でも、サイトさんの期待にこたえるためにも頑張り……」

シエスタは、不意に言葉を切って周囲をキョロキョロと見まわし始めた。その様子を見たウェールズの目つきが真剣なものに変わり、確認するように訊く。

「どうかしたかい?」

「風の匂いがかわりました…」

鼻をクンクンと動かしながら、シエスタはつぶやくように言った。

「血と火の臭い…洗っても、洗ってもぬぐえないほど、体に染み付いてしまった臭い……」

「敵がきたと思っていいんだね」

「…ハイ」

ウェールズはカイザドライバーを、シエスタはデルタドライバーをそれぞれ腰に装着した。

――― 9 1 3  Enter ―――

「変身!」

<Standing By>

シエスタは、コードを音声入力し、右手を左下に左手を右上に伸ばし、それぞれの腕が半円を描く。
ウェールは、右手でカイザフォンを持ってコードを入力し、素早く手首を動かしてカイザフォンを閉じると、左拳を腰に構え、右手を右に水平に伸ばした。
そして、弧を描くように左へと移動させ、左肩の上で腕を曲げ、力強く叫んだ。

「変身!」

そして、二人は同時にそれぞれのフォンとドライバーを接続させる。

<Complete>

ウェールズの身体を黄色の、シエスタの身体を白のフォトンブラッドが駆け抜け、ウェールズはカイザへ、シエスタはデルタへ変身した。
カイザは本塔の一番高い所に立つと、カイザブレイガンを抜き、ミッションメモリーを挿入し、黄色の光刃を生み出した。
そして、ヒーティング・イニシャライザを操作し、ブレードの熱放出量をミドルから、最大出力のアルティメットに調整して横一線に振り抜く。
アルティメット時のカイザブレイガンは、ブレードの延長線上最大120m先にある対象を両断できるのだ。
何もなかった空間が突然燃え上がり、両断された空艦が墜落した。

「今のでほとんど落とせたと思ったんだけど、何人か逃したみたいだ」

「10人です」

見に徹していたデルタが正確な数を報告する。

「モートソグニル、オールド・オスマンに伝えてくれ」

ネズミはチュッと鳴いて敬礼した。

「ボクは、迎撃に出るけど、君はどうする?」

「私も一緒に行きます」


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