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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔21
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、サイトは椅子から立ち上がり、外へ出て行こうとした。それをコルベールは驚いたような顔で見つめる。

「お前は、目の前で生徒が傷ついて黙っていられる男じゃない。
だから、お前には“何もせずにいてだれかが傷ついてから行動する”か“誰も傷つかないよう行動を起こす”かの二つしか残っていない。
お前が逃げるのは勝手だが、逃げているだけじゃ、何の解決にもならないんじゃないのか?
……それに、魔法を使う以外にも戦い方はいくらでもあるぞ」

自分の頭を軽く叩く仕草をしながら部屋を出て行くサイトを、コルベールは見送ることしかできなかった。


――――――――――――――――――――――――――――


「魔法を使うだけが戦いではない、か……
サイト君には、いつも助けてもらいっぱなしだな」

コルベールは自嘲気味に笑って立ち上がった。

「せめてもの恩返しだ。後方の憂いは私が何とかして見せよう。
彼が教えてくれたように魔法以外の戦い方で!」

彼は勢いよく、研究室の扉を開けて外に出た。


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コルベールは深呼吸をして学院長室の扉に手を開いた。

「失礼します」

中では、オスマンとアニエスが警備について話し合いをしていた。話し合いと言ってもアニエスがどう配置したのかを事後報告しているだけなのだが。
アニエスがここに来たのは、ここに残る女子生徒たちを予備士官として短期教育することと、ミズチに頼まれた学院の警護のためだった。

「すまんが、今は警備についての話し合いの最中じゃ、出なおしてきてくれんか?」

「その話し合い、私も参加させていただきます」

「貴様のような腑抜けにようはない」

教室でやったようにアニエスは、コルベールを睨んだ。しかし、あのときのようにコルベールは怯えなかった

「私は、ミスタ・ミズチにここの警護を任された身です」

「何!? ミズチ殿が!」

アニエスの驚くさまを見てこの名を口にしたのは間違いだったのかもとコルベールは少し後悔した。
サイトがここを出る前に「ミズチの名を出せば、確実に通る」と言われていたため、実際にやってみたのだが、アニエスの動揺にコルベールは内心ヒヤヒヤしていた。

「ック、ならば仕方無い。ここに来たのなら、なにか考えがあるのだろうな?」

「ええ、銃士隊長殿、敵が来るとしたら、何を目的としてくると思いますか?」

「ミズチ殿が言うには、ここにいる生徒を人質にしてアルビオンに向かった軍の足並みを乱すこと」

「その通りです。目的が分かっているのですから、手を打つべきです」

「それで?」

「学院にいる者を本塔に移します。本塔は、宝物庫など、重要なものが多く
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