オルフェノクの使い魔20
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ちらはあの魔法を使うことができませんのでご安心してください」とでも知らせに行きますか?」
ミズチは小馬鹿にしたように言うと、一拍置いて、話を続ける。
「実際のところ、あの魔法の有無は関係ないのです。敵があれを恐れて今までの連携をとれなくなっているというところが重要なのです。
これだけ離れていれば、向こうの戦艦一隻に対して、こちらは最低でも二隻で当たることもできそうですね」
ミズチが小さな声で素早く何かをささやいた。すると、置いてあったワイン瓶とティーポットからそれぞれの中身が勝手に飛び出し、小さな船の形になった。
「ワインをアルビオン、紅茶を我々だと思ってください」
ワインは大きく広がって展開しているのに対して、紅茶は中心に集まって展開している。
「これでは、敵に包囲されてしまう。我々も大きく広がった方がいいのではないのか?」
「敵の戦艦の数はこちらよりも少ないのです。なのに、これだけ多く広がっている。つまり、敵の敷いた陣は、ただのハリボテ」
「ハリボテ?」
「そうです。そして、我らは岩。その岩を何故、砕いて小石にしてぶつける必要があるのです?」
「しかし、一点突破を狙ったとしても包囲されてしまえば、我らは他方からの攻撃にさらされることになる」
紅茶がワインの真ん中に突っ込むのを見ていた参謀がつぶやいた。
「たしかに、これだけでは、こうなってしまう可能性があります」
ワインが両端を折りたたみ、紅茶を包んだ。
「だが、これは最初に接触するこの部分が我らの戦力と拮抗するから起こること、実際の数の差を考えると、こうなるはずです」
最初に紅茶と接触したワインが方位を完成する前に突破されてしまった。
「我ら連合が60隻に対し、アルビオンは40隻。もともと、こちらの方が多いうえに、向こうは大きく広がってくれています。一点突破ならば、実際に戦うのは、おそらく多くても15隻程度。
なので、こういう形の陣形を取ります」
最初の布陣に戻ると、紅茶が40:20の割合で別れ、まず、40の紅茶がワインの中心とぶつかる。ワインが紅茶を包み切る前に紅茶が突破し、紅茶を包もうとしていたワインは紅茶の後ろを追いかける形になる。それを残り20が背後から若干数が減った40が転進して挟み撃ちにしてしまった。
「最後の詰めとして、ミス・ヴァリエールに協力してもらえれば、勝つことができます」
ミズチは底冷えするような冷笑を浮かべた。
それを見たルイズは確かに聞いた気がした、サイトが「“パーティ”の始まりだ」と言ったのを。
「全艦に伝えてください。“無敵”とは“敵が無いほど強いから無敵”という、しかし、アルビオンはタルブで我々に負けている。故にもう、“無敵”ではないと」
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