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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔19
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あんた、知っているのよ!? っていうか、お母さま、訓練の監督なんてしているの?」

「訓練が予定されている日は、だれも朝食をとらないそうだぞ。吐くから」

(吐くってお母さま……)

サイトが前に視線を向けると、騎士の武装を身につけ、マンティコアに跨ったカリーヌがいた。

「では、始めましょう」

「……」

サイトは、ルイズに離れているように言い、観客となっている公爵たちのところに行ったのを確認してから向き直った。
いつの間にかとったルイズの杖をカリーヌに見せつけるように振る。そのことについて騒ぐルイズを当然のごとく無視する。

「開始の合図は、これが地面に落ちた時」

「わかりました」

カリーヌがうなずくのを見てルイズの杖を天高く放り投げる。同時にルイズの絶叫も上がった。
くるくると回りながら、宙を舞う杖を見つつ、カリーヌは詠唱を始め、サイトは両手を振りかぶる。二人はそれぞれ、杖が落ちると同時に戦闘を開始するための予備動作に入った。
そして、杖が地面に落ちると同時にカリーヌのエア・カッターとサイトのウォーターカッターが同時に放たれた。二つの不可視の刃が二人の中間で激突し、力を失った風と水がそれぞれの頬をなでる。

詠唱を必要としないサイトは、カリーヌが次の魔法を出すよりも早く、空を薙ぐ。次々とウォーターカッターが放たれるも、カリーヌは冷静に風の障壁を生み出して水刃を受け止め、高レベルで長い詠唱を必要とするはずの魔法をものすごい速さで完成させ、サイトに向かって放つ。
迫る竜巻を前に、サイトの身体に灰色の模様が浮かび上がり、一瞬の光とともにミズチオルフェノクへと変化し、トライデントを地面に突き刺して地下水を呼び出し、カリーヌの竜巻に見劣りしない水の竜巻をぶつけて相殺する。

「それが本性かしら?」

「さあ?」

灰色の異形を前にしてもカリーヌはわずかばかり眉を上げるだけだった。マンティコアの腹を蹴って地面から距離をとった。先ほどの技を見て地上にいることは危険と判断し、どこから攻撃されても対応するための手段だ。
そのカリーヌに向けて地面から太い水流が彼女を飲み込もうと迫る。それを風で吹き飛ばしたとき、目の前に灰色の龍が襲いかかってきた。ミズチオルフェノク飛龍形態だ。

「ッ!?」

さすがにこれにはカリーヌも驚き、対応に一瞬遅れる。それを救ったのは、カリーヌと多くの戦いをともにした相棒のマンティコアだった。龍の牙をギリギリで避け、主人を守った。
続く龍の爪を捌き、カリーヌは距離をとった。

「韻竜」

「ハーフドラゴンだ」

空中で目まぐるしく動き、ミズチオルフェノクのブレスとカリーヌの風が吹き荒れる。
何度目かのブレスを降下して避けたとき、カリーヌは背後から迫る陰に振り
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