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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔19
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くつぶやいた。

「こんな貧相な男に何ができるっていうの?」

「そこにいるやつら全員の首でもはねて見せようか?」

控えている使用人たちに視線を向けながらこと投げに言うサイトに、ルイズは青ざめる。サイトなら手を振っただけでそれが本当に出来てしまう。

「ちょ、ちょっと「やってみなさいよ! できるものなら」」

ルイズの言葉をさえぎり、エレオノールがサイトを挑発する。そのとき、今まで黙っていた公爵夫人が口を開いた。よく通る、威厳のある声だった。

「エレオノール」

「で、でも、母さま……」

名を呼ばれただけで、エレオノールは声を詰まらせた。

「ルイズのことは、明日、お父様がいらっしゃってから話しましょう」

それから、カリーヌはサイトの方を向いた。

「今は食事中よ。そのような血生臭くなるようなことはやめてくださらないかしら」

カリーヌもまた、サイトと目が合った時に、直感でサイトの力を感じていた。そして、先ほどサイトが言ったことは決して不可能ではないことも感じ取っていたのだった。


――――――――――――――――――――――――


「家族…か……」

「何か言ったかい? サイト」

「いや」

明らかに物置にしか見えない部屋に通されたサイトたちオルフェノク三人は、遅い夕食を取っていた。
あの後、食事は再び静かに終わり、ルイズはカトレアの部屋に行ってしまった。そのときのルイズの表情は今まで見てきた表情とは違った笑みを浮かべていた。
サイトは、その笑みがよく分からなかった。

「さすがは名家ラ・ヴァリエールなだけあるね。ボクらみたいな客にもこんないい酒を用意してくれるなんてさ」

「ああ、そうだな」

頷きつつ、ワインをあおっていて、二人は気がついた。シエスタが妙に静かなのだ。不思議に思い、二人がシエスタの方を向いた。
そして、その後、シエスタに酒を飲ませないと二人は誓うのだった。


―――――――――――――――――――――――――――――


翌朝、ラ・ヴァリエール公爵が帰ってきた。
ルイズはこの戦争に参加するための許可を得るためには父を説得しなければならない。覚悟をきめ、朝食の席にサイトを伴って向かった。しかし、その席にいる父が恐ろしく機嫌が悪いことを見て、早くも覚悟が揺らいだ。公爵を見てサイトがボソッと「あのときの公爵だ…」とつぶやいたことにも気付かなかった。

「まったくあの鳥の骨め!」

開口一番、公爵は枢機卿をこき下ろした。

「どうかなさいましたか?」

夫人が表情を変えずに、夫に問うた。

「このワシをわざわざ一週間もトリスタニアに呼びつけて、何を言うかと思えば「一個軍団編成されたし」だと!? ふざけおって
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