オルフェノクの使い魔19
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かれているシエスタを見ながら、小型動物から距離をとられているウェールズは面白そうに馬車のなかを眺めている。
「ちいねえさまは、動物が大好きなのよ」
カトレアは珍しそうにサイトたちオルフェノク組みを、特にサイトをみつめる。
「あなた、ルイズの恋人?」
「違う」
サイトは、にっこり笑みを浮かべて話しかけてきたカトレアの問いかけにあっさりと何の迷いもなく否定した。
「でも、ルイズが男の子をつれてくるなんて初めてですもの…」
「違います!! サイトさんは、ミス・ヴァリエールの使い魔ってだけです!!」
なんとか犬たちを振り払ったシエスタがバッとサイトを守るようにカトレアの前に出て叫んだが、カトレアは面白そうに微笑むけだった。
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深夜といってもいい時間になったころ、ようやくルイズの実家である城にたどりついた。
シエスタとウェールズは到着して、すぐに召使たちの控室に向かわされたため、現在は別行動になり、サイトは使い魔ということもあり、ルイズとともにダイニングルームへ連れてこられた。
中世の映画で見るような巨大なテーブル、そしてそのテーブルに対して座っているのは4人だけしかおらず、さらにテーブルの周りには、使用人が20人ほど並んでいる。
深夜であるにも関わらず、ルイズたちの母カリーヌは娘たちの到着を待っていたらしい。
上座に控えた公爵夫人は到着した娘たちを見まわした。
サイトは、そのとき、ほんのわずかな時間だが、確かに夫人と目が合い、そして彼女から戦う者の気配、戦士の気配を感じ取った。
「母さま、ただいま戻りました」とエレオノールが挨拶すると、カリーヌは頷いた。
三姉妹がテーブルに着くと、給仕たちが前菜を運んできて晩餐会が始まった。
とても静かで銀のフォークとナイフが、食器と触れ合う音だけがだだっぴろいダイニングルームに響いた。
沈黙を破るようにして、ルイズが口を開いた。
「あ、あの……母さま」
カリーヌは返事をしない。エレオノールが後を引き取った。
「母さま! ルイズに言ってあげて! この子、戦争にいくだなんてばかげたこと言ってるのよ!」
バンッと、テーブルを叩いてルイズが立ち上がった。テーブルを叩いたせいで銀のナイフがテーブルから落ちるのをサイトがすかさずキャッチする。カリーヌは娘たちの言い合いよりも、サイトの動作に目を向けていた。
「戦場がどんなところか知っているの? 少なくとも、あなたみたいな女子供が行くところじゃないのよ」
「知っているわ! 私は、これまで何度も戦ったわ。それに私にはサイトがいる」
ルイズの言葉を聞いて、鋭い視線を向けてくるエレオノールにサイトは、「俺に振るなよ」と小さ
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