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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔19
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のようにサイトが言う。

「気にするな、俺たちは平民じゃない。平民の頃の癖が抜けていないあいつが勝手にやっているだけだ」

「そう、なんだろうけど……まだ、オルフェノクっていうのに慣れてないみたいだ」

とりあえず、ルイズたちの方に行こうとしたとき、旅籠から村人が飛び出してきた。

「うわっ」

「っと」

2人は慌てて村人たちを避け、村人たちが行った先を見ると、ルイズとエレオノールが熱烈な歓迎を受けていた。

「ボクも、あんなふうだったんだろうね」

「…人間だった頃をあんまり懐かしむな」

「ああ、そうだね」

ふと気づくと、ルイズたちが旅籠に招かれているのを見て、サイトたちもそれに続いた。
旅籠の中に入ると、ルイズとエレオノールがテーブルについていた。
サイトは、さも当然のようにあまっていた席に座る。すでに諦めたルイズはため息をつき、エレオノールが睨んでいたが、サイトは全く気にしていない。
ウェールズもサイトの後に続いて座ろうかと思ったが、エレオノールの睨みを見てシエスタと一緒に立つことを選んだ。
エレオノールの睨みを受け流してみせるサイトの姿に村人たちは反応に困っていたが、サイトはやはり一切気にすることはなかった。

「サイトって凄いね…」

「…はいぃ」

新人オルフェノクたちがこっそりと頷き合った。しかし…当然、彼に聞こえていたりする。

(…あの二人……訓練レベル上げるか)

婚約を破棄されたことを知らず、そのことを口にしてしまい、エレオノールにいじめられているルイズを見ながらそんなことを考えているのだった。
そうやって休憩時間をそれぞれ過ごそうとしていた時、旅籠のドアが開き、ルイズと同じ色の髪と瞳をもった女性が現れた。

「まぁ、見慣れない馬車を見つけて立ち寄ってみれば、うれしいお客だわ! エレオノール姉さま! 帰っていらしたの?」

「カトレア」

「ちいねえさま!」

エレオノールの呟きとルイズの叫びが重なった。


――――――――――――――――――――――――


突然、現れた女性、ヴァリエール家次女のカトレアの大きな馬車で屋敷に向かうことになった。

「ひゃ、ちょッ…ダメぇ。サイトさん、助けてぇ」

大きな馬車のなかは、さながら動物園だった。トラがいたりクマがいたり蛇がいたりする。そんななかで、シエスタは、種類さまざまな犬に襲われていた本能的にシエスタから自分たちの同種の気配を感じ取ったのかもしれない。

「自分で何とかしろ」

動物たちに警戒されているサイトは、冷たく切り捨てた。

「そんなぁ…ッ!? スカートの中に頭入れないでぇ!! そんなとこなめちゃダメぇ!」

「それにしてもすごいねぇ」

じゃれつ
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