暁 〜小説投稿サイト〜
オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔18
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
けであると。それをきいたリッシュモンは、笑い出した。

「なるほど! 貴様はあの村の生き残りか!」

「貴様に罪を着せられ……、何の咎も無く我が故郷は滅んだ」

銃口が震えた、恐怖ではなく、怒りにって。

「殺してやる。貯めた金は地獄で使え」

「お前ごときに、貴族の技を使うのはもったいないが……これも運命かね」

リッシュモンが呟き、呪文を解放すると、巨大な火球がアニエスに向かって飛んだ。
アニエスは暴発を避ける為、銃を投げ捨て裏に水袋を仕込んだマントを翻してそれを受けようとした。そのとき、二人の中間の床から水が噴き出した。

「なに!?」

「ック!?」

水はリッシュモンの炎を飲み込み、続いて二人の身体を拘束した。

「ええい!! 放せぇ!!」

「何がどうなっているんだ!?」

混乱する二人の耳に、足音が聞こえた。コツコツとその足音が二人に近付き、ついに姿を現した。白と水色の服、水色のマント、口がわずかに露出しただけの竜をかたどったフルフェイスマスクをつけた一人の男だった。

「おやおや、いつの間にか獲物が一人増えているな。アニエス銃士隊長、何故、ここに? まったく、契約違反ではないか」

「ミズチ殿! 何故、ここに!?」

「女王陛下との契約でな、この男を取り逃がした場合は、私の好きにすることになっている。貴殿の復讐、はたさせるわけにはいかない。傷をつけられるとやりづらいからな」

アニエスが声を上げたが、ミズチは気にした様子もなくリッシュモンを連れ去ろうとして、ふと、思いついたかのように立ち止った。

「一緒に来るか?」


――――――――――――――――――――――――――


リッシュモンが意識を取り戻した。板の上に寝かされていたらしく、背中に痛みを感じる。周囲にロウソクが焚かれていた。

「おはよう、リッシュモンどの」

「きさま!」

リッシュモンは、わずかに露出した口元に笑みを浮かべた仮面の男に言いようのない恐怖を感じた。

「まったく、あなたもバカな人ですね。あのまま、女王陛下に捕まっていればよかったものを、まぁ、今さらですがね」

「き、きさま、なにを?」

「女王陛下と取引しましてね。策を与える代わりに、取り逃がした場合、あなたを自由にさせてもらうと」

クスクスと笑いながら、ミズチは己の杖として持ち歩いているトライデントを握った。

「さてと、それでは、解剖を開始する」

「「か、解剖!?」」

リッシュモンとアニエスは耳を疑った。

「安心するといい、すぐには殺しませんよ。私の血の操作術でギリギリまでご自分の解剖に立ち会っていただきます」

「ひ、ひいぃぃぃぃぃぃぃぃいっぃっぃいっぃ!!!!!!!
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ