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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔18
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…何処に身を隠しているの? 護衛はちゃんと付いているんでしょうね?」

「どこにいるのかはわからぬが、護衛は間違いなく、つわものだ。」

ルイズが人心地吐くと、裏切りの容疑がかかっているリッシュモンの屋敷から馬に乗った年若い小姓が飛び出すのが見えた。
アニエスは、小姓との距離をとりながら慎重に後を追っていく。暫く追っていくと、小姓は一軒の酒場兼宿屋に入っていった。
アニエスは階段の踊り場で、小姓の入っていった部屋を確認すると、ルイズに羽織らせていたマントを脱がさせ、自分にしなだれかかるように告げる。髪の短いアニエスと酒場女のような形をしたルイズは、それだけで酒場の雰囲気にとけ込んだ。
手紙を渡すだけだった小姓は、すぐに部屋を出てきたが、彼から顔を隠す為、アニエスはルイズを強引に引き寄せるとその唇を奪う。ルイズが暴れようとするが、力の差が有りすぎて身動きすることさえ出来ない。
やがて小姓が去るとアニエスは唇を離し、ルイズが彼女に対して猛然と抗議した。

「な、なにすんのよ!」

「安心しろ。わたしにそのような趣味は無い。これも任務だ」

「わたしだってそうよ!」

 ルイズの抗議を無視して、アニエスは先程小姓が入っていった部屋へ足音に注意しながら近づいていく。同じように足音に気を付けながら後を付いていくルイズが彼女に追いつくと、アニエスは振り返り、親指で扉を指した。

「この扉を破壊出来るか?」

「……随分と荒っぽいのね?」

「どうせ、鍵が掛かっている。開けようとしている内に逃げられては厄介だ」

なるほどと納得して、ルイズは杖を取り出して呪文を唱え、扉を吹っ飛ばした。


――――――――――――――――――――――


「…めでたしめでたしってことでいいのかな?」

二人のいる部屋の扉に背を預けて立っていたサイトはつぶやいた。その足元には、少々噛み切るのに苦労しそうなパンでつくられたサンドウィッチとワインのボトル、人数分のグラスがのったトレーが置かれていた。

「ん」

下の階に配置した水からアンリエッタを探す兵士がきたことが報告された。

「もう少し、二人きりにしてやりたいけど…仕方ないよな」

ため息をついてから騒がしくなった部屋にノックをして、返事を待たずに扉を開けた。
ノックからほとんどタイムラグなしで開けたそこには、アンリエッタによって服を脱がされ、半裸になったウェールズとその上に馬乗りになって胸を触っているアンリエッタがいた。

「「……」」

「雨が降り出したからな、宿の中まで探し始めたらしい」

「「この状況はスルーですか!?」」

二人は慌てて離れつつ、サイトにツッコミを入れる

「うるさい。
下で帳簿を見るだろうから隠れるのもまず
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