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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔18
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「え?」

「サイトはただ、約束したからやっているだけであって、罪意識なんてないよ」

「……」

「サイトは、口で示す男じゃなくて、行動で示す男だからね。
…だから、こそ、ボクは…ボクたちは、彼から目を離せないんだ」

サイトのことを話すウェールズの顔はとても誇らしげで楽しそうだった。視線に気づいたウェールズは微笑みを浮かべてアンリエッタの頭を撫でた。

「アンリエッタ姫、オルフェノクになってもボクは君を大切な妹だと思っている。
サイトはね、タバサ…あの風竜の使い魔を持っている小さい青髪のメイジの娘の兄なんだ。
それと同じようにボクも君の兄…いや、女の子になったんだから姉かな? でいたいし、ありたい。だめだろうか?」

アンリエッタは、首が千切れるんじゃないかというほど首を横に振った。
アンリエッタは泣きそうになった。好きだ好きだと言っていたくせにその相手のことを何も理解できず、偽物と分かっていても、のこのことついて行き、しまいには「本気で好きになったら、何もかもを捨てても、ついていきたいと思うものよ。うそかもしれなくても、信じざるをえないものよ」などと、のたまって相手の心を踏みにじった。
そんな自分を、まだ大事だと言ってくれた。その思いが兄弟愛から来るものであったとしても嬉しかった。

「ありがとうございます……ウェールズお姉さま」

このとき、アンリエッタはようやく、ひとり残されていたゲームから抜け出すことができたのかもしれない。
ウェールズは、自分の胸に飛び込み、肩を震わせて泣いているアンリエッタに慈愛に満ちた笑みを浮かべ、優しくそっと抱き締めた。
ウェールズの心音がアンリエッタの心を落ち着かせる。
そして、アンリエッタはふと、気づいた。

(……なんか、私より、大きくない?)

おもむろに体を起こすと、アンリエッタはムズとウェールズの胸を掴んだ。

「ヒャッ!? な、なにを!?」

「…やっぱり、大きい」

「へ?」

アンリエッタはさらに力を入れてウェールズの胸を揉む。

「あ、アアア、アンリエッタ!?」

「ついこの間まで男だった人に負けた…」

慌てるウェールズなど無視して、アンリエッタは脱がしにかかった。

「どうなっているのか調べます。脱いでください!」

「ちょ、ちょっと!?」


――――――――――――――――――――――――――――


魅惑の妖精亭を飛び出したルイズは通りがかりの兵士からアンリエッタ誘拐の報を聞き、王宮を目指す為、馬を都合しようとして偶然にもアニエスと合流し事のあらましを聞き及んでいた。

「じゃあ何? 姫様は裏切り者を燻り出す為に、自ら姿をお隠しになったというわけ?」

「ああ、そうだ」

「…
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