オルフェノクの使い魔17
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…」」
「声が小さい」
「「はい!」」
ミズチオルフェノクが立ち上がり、もう一ラウンド行こうとしたとき、ルイズが手紙を持ってかけてきた。
「サイト!」
「ん?」
「姫さまから緊急で密命がきたの」
「ほぅ…」
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密命の内容は、簡単に言ってしまえば『身分を隠しての情報収集』というものだった。
サイトが「酒が入れば、人は誰でも多かれ少なかれ口が軽くなる。だから、酒場で網張れば、その手の情報は向こうから転がりこんでくるはずだ」と言い、シエスタが「私のいとこに酒場を経営している人がいるんです」と言ったため、そこで適当な理由をつけて雇ってもらおうということになり、シエスタの親戚スカロンの経営する酒場『魅惑の妖精』亭で働くことになった。ルイズとシエスタはウェイトレスを、ウェールズは皿洗いで雇ってもらった。サイトは、フラフラとどこかにいなくなり、戻ってきたときだけ、厨房に立った。
接客がうまくいかないルイズが四苦八苦している中、『魅惑の妖精』亭ではチップレースが開催された。
それに何を思ったのか、サイトが突然、参加すると言い出し、店に来る数少ない女性客からチップをもぎ取り、優勝してしまったということもあったりしたが、比較的調子よく調査は進んでいた。
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いつものように『魅惑の妖精亭』を出たサイトは、トリスティン城内にいた。城内に入ってから、誰ともすれ違うことなくサイトは廊下を進み、壁に手をついた。すると、壁がクルリと90°回転した。サイトは隠し部屋に入ると、そこに置かれている服に着替える。
白と水色の服、水色のマントを身につけ、口がわずかに露出しただけの竜をかたどったフルフェイスマスクをつけた。
「さてと、行くとするか…」
外に誰もいないことを確認してサイトは隠し部屋から外に出た。
そのまま、アンリエッタのいるであろう謁見の間まで最短ルートを通って進む。
「ム、ミズチではないか、今日はどうした?」
「マザリーニ殿、陛下は?」
「女王陛下は、執務室だ。何かあるのか?」
「女王陛下に頼まれていたことで報告したいことがありまして」
「そうか」
マザリーニはそう言って去っていく仮面の男の後ろ姿を見送った。
最初、サイトがマザリーニとアンリエッタの前に現れたとき、「人間のウェールズの最期の望みを叶えたい。俺を司令官にしてくれ。ただし、陰のだ。それと俺という存在を売りたくない。変装するための道具も用意してほしい」と言ってきた。
ウェールズ皇太子の最期の頼みをかなえるためだという男の目に惹かれ、マザリーニが率先して彼
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