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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔16
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たちは、もう勝てないのよ! 降参して!」

「調子に乗るのも大概にしろよ…」

「ッ!」

サイトはミズチオルフェノクへと変化した。サイトはアンリエッタの言動に許せないものがいくつもあった。
一つ、王という上に立つものでありながら、いつ戦争に突入してもおかしくない状況である国を捨てようとしていること。
一つ、本物のウェールズの気持ちを理解していないこと。
一つ、この戦場を自分ひとりが能力アップしただけでかえられると思っている傲慢さ。
一つ、自分を助けにきたのだから、どんなことになっても自分だけは傷つかないと無自覚であろうが、思っている節があること。

「貴様程度の力で戦況が変わることなどないということを教えてやる」

ミズチオルフェノクがトライデントを振った。それにあわせて雨が集まり、水の矢となってウェールズたちに襲い掛かる。
アンリエッタが即座に水の盾を生み出し、受け止めた。だが、なんと矢を受けた水の盾が次々とメイジたちに襲い掛かった。

「そんな!?」

驚愕するアンリエッタを抱えてウェールズが風の盾を生み出す。他のメイジもそれぞれ盾を作って、アンリエッタの水を飲み込んだミズチオルフェノクの水を受け止めた。

「最強? だれが? てめぇが? 寝言は死んでから言え! 人間!!」

マントの金具が外れ、四肢が変化し、龍の兜の中にあった顔が消え、首が伸びる。飛龍形態へと変化したミズチオルフェノクが吼えた。

「ガァァァァァァァ!!」

吼えるミズチオルフェノクにルイズが叫んだ。

「サイト!」

「なんだ?」

「敵を何とかできそうな魔法があるの」

「…わかった。守ってやるから、さっさとしろ」

それだけ言うと、ミズチオルフェノクは一度天を仰ぎ、それからウェールズたちに向けて口を開いた。ミズチオルフェノクのブレスが、メイジの一人の身体をバラバラに吹き飛ばした。バラバラにされたメイジは即座に再生を始めるが、胴体が消し飛ばされたため、いままでよりも時間がかかっている。そのメイジにタバサが風と水を組み合わせた氷の魔法で凍りつかせた。これで再生させるまでにさらに時間がかかるようになった。そうやってルイズの魔法が完成するまでの時間を稼ぐつもりだった。


――――――――――――――――――――――――――――


アンリエッタは、灰色の龍に恐怖を感じ思わず、後ずさりをした。

「アンリエッタ」

優しい声で呼ばれ、顔を向けるとそこには笑みを浮かべたウェールズがいた。その目に昔の優しさはない。

「アレをやるよ」

「…はい」

アンリエッタとウェールズが同時に詠唱を開始した。『水』、『水』、『水』、そして『風』、『風』、『風』。
トライアングルクラスを2つ組み
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