オルフェノクの使い魔16
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「…やぁ、サイト。久しぶりだね」
ウェールズの腕を咥えたサイトにウェールズは笑みを浮かべた。
「だれだ? てめぇは」
(なんだ? この血の味は…)
本当にわからないという顔をしてサイトは言い、食い千切った腕を投げつけた。投げつけられた腕を受け止めたウェールズは傷口と傷口をくっつけた。すると、食い千切られたはずの腕が体とくっつき、食い千切られたことなどなかったかのように動いた。
「だれって、きみの友だちのウェールズじゃないか」
「俺に腐った死体の友達なんていねぇよ。死体は死体らしく死んでいろ」
(指輪でよみがえったゾンビならではの芸当か? なら、指輪がアルビオンにある可能性がほぼ確定だな)
「また、私を殺すのかい? 血を抜き取って」
「え? ウェールズさまはワルドに…」
驚いて、アンリエッタはウェールズを見た。
「いや、私を殺したのは目の前にいる彼だよ」
「でも、ルイズが」
「彼女はワルド子爵の攻撃で死んだと思ったんだろう」
ようやくシルフィードが追いついた。
シエスタがシルフィードから飛び降り、サイトの隣りに立った。
「怖いならさがっていろ」
震えているシエスタに声をかけたが、彼女は首を振った。
「ここまできて覚悟できなきゃ、女がすたります」
「そうか」
サイトはカイザフォンを左手に持った。
――― 9 1 3 Enter ―――
<Stnding By>
右拳を腰で構え、左手を天に向けると同じにカイザフォンが宙を舞い、その間に右手と左拳が入れ替わった。
シエスタは目の前の敵を睨み、デルタフォンを顔の横に構えた。
右手がカイザフォンを受け止め、サイトとシエスタが同時に叫んだ。
「変身!」
<Stnding By>
サイトは、カイザフォンをカイザドライバーにセットした。
シエスタは、デルタフォンをデルタムーバーに接続した。
<Complete>
黄色いダブルストリームと白いトリニティーストリームがそれぞれを包み、カイザとデルタに変身した。
二体のフォトンブラッドと、紫とオレンジのファインダーが暗闇の中で輝く。
「姫さま! こちらにきてくださいな! そのウェールズ皇太子は、ウェールズさまではありません! クロムウェルの手によってよみがえった別の何かです!」
ルイズが二体のライダーの間に立ち、アンリエッタに叫んだが、アンリエッタは足を踏み出さない。信じたくない、とでもいうように首を左右に振った。それから、苦しそうな声でルイズたちに告げた。
「お願いよ、ルイズ。杖をおさめてちょうだい。私たちを、いかせてちょうだい」
「姫さま!? なにをおっしゃるの! それはウェールズ皇太子じゃな
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