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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔15
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が、『水の精霊の涙』もらっていくぞ」

「誓いの証として贈ろう」

水の精霊の一部が分裂し、ミズチオルフェノクの手の中に納まった。
水の精霊は、形を失って湖と帰っていった。
モンモランシーが悲痛な叫びをあげたが、ミズチオルフェノクが『水の精霊の涙』を持ち帰ったことを伝えると、大いに喜んだ。

「ダーリン、水の精霊とどんな話をしたの?」

二人の会話は、聞こえていなかったらしいので、サイトは手短に必要なことだけを伝えた。

「じゃあ、任務終了ってことね? よかったじゃないタバサ」

「……(コクン)」

「でも、『アンドバリ』の指輪を見つけなくちゃいけないのよね」

「水の精霊の言っていた『クロムウェル』とアルビオンの新皇帝の『クロムウェル』が同じか否か、か」


―――――――――――――――――――――――――


「これとこれを、同量入れて…」

「フムフム」

「これを少々混ぜて、あとは『水の精霊の涙』を適量いれて、澄んだ青色に変色すれば完成…」

「ほうほう」

任務の完了を報告するというタバサに、薬に興味を示したサイトが先に帰ると言い、ギーシュとモンモランシーにくっついて学院に戻り、さきほどから薬の調合にいそしむモンモランシーの手元を、興味深そうにサイトが覗き込んでいる。
モンモランシーの手元で調合された薬が綺麗な青色に変色した。

「できたわ! 完成よ!!」

モンモランシーは額の汗を拭い、出来立ての解除薬をギーシュに押し付けた。

「さぁ! 飲みなさい!!」

「いやだ。なんかこれ、臭いよ」

幼児退化したかのように口を尖らせるギーシュに頬を引きつらせながら、モンモランシーはできるだけ優しい声を出した。

「……飲んだら、キスしてあげるから。それもディープで」

「わかった、今すぐ飲もう!!」

鼻をつまんでギーシュは豪快に解除薬を飲み干した。薬の効果はすぐに現れた。

「モンモランシー、すまなかった!! 君はボクを愛するあまり、そんなにも追い詰められていたんだね!!」

「えーい、うるさい!! ちょ、どこさわってんのよ! ドスケベェ!!!」

叫び声と共に破壊音、続いて悲鳴が聞こえたが、二人は巻き込まれてはたまらないとそそくさと部屋から脱出した。


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