オルフェノクの使い魔15
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その水を口にしてみたりしていたサイトが話の進まなさに顔をしかめ、話を進めようとした。
「で、その材料っていうのは?」
「『水の精霊の涙』って言うのなんだけど…なんか水の精霊、怒っているみたいね」
「分かるのか? おまえも」
「私は『水』の使い手。香水のモンモランシーよ。水の変化に気づかないわけがないでしょ。って「おまえも」?」
「水を相棒にして長いからな。ここの湖の水に何かの意志が干渉していてそれが妙に荒れていることくらいわかる」
「へぇ」
(なんだか、ゼロのルイズには勿体無い使い魔ねぇ。あ、いや、ロビンが不服ってわけじゃないんだけどね!)
モンモランシーは感心したようにサイトを眺めた。
「どうやってそれを手に入れるんだ?」
「あ、うん。
ここに住む水の精霊とトリステイン王家は旧い盟約で結ばれているの。その際の交渉役を、私の家がやっていたから、私が呼びかければ、応じてくれると思う……たぶん」
「たぶん?」
「父上が水の精霊を怒らせて…そのせいで交渉役を降ろされちゃったから……」
モンモランシーは自分の使い魔であるカエルを取り出し、自分の指を傷つけ、そこから出た血を一滴カエルにたらしてすぐに傷を治療した。
「いいこと? ロビン。あなたたちの古いお友だちと、連絡が取りたいの。
これで相手は私のことがわかるわ。じゃあロビンお願いね。偉い精霊、古き水の精霊を見つけて、盟約の持ち主の一人が話をしたいって告げてちょうだい。わかった?」
カエルはぴょこんと頷き、水の中へと消えていった。
少しすると、サイトたちが立っている岸辺から、30メイルほど離れた水面の下が、眩いばかりに輝き、続いて水がアメーバのようにウネウネと動き始めた。
さきほど湖に消えていったカエルが戻ってきてモンモランシーの手に収まった。モンモランシーはカエルを指で撫でて労う。
「ありがとう。きちんと連れてきてくれたのね」
それから水の精霊に向かって両手を広げ、口を開いた。
「私はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。水の使い手で、旧き盟約の一員の家計よ。カエルにつけた血に覚えはおありかしら。覚えていたら、私たちにわかるやり方と言葉で返事をしてちょうだい!」
水の精霊はグネグネとうごめき、モンモランシーそっくりに変化した。
「覚えている。単なる者よ。貴様の身体に流れる血を、我は覚えている」
「よかった。水の精霊よ。あつかましいと思うけど、あなたの一部を分けて欲しいの」
モンモランシーの願いを聞き、水の精霊は、ころころと表情を変え、最後に笑みを浮かべた。
「断る。単なる者よ」
「そんな!?」
水の精霊の涙が手に入らなかったら、このさきずっと
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