オルフェノクの使い魔15
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う、そこに毒薬が黄色として混ざってきた。さて、何色になる?」
「…緑」
「そうだ。自分が支配していた水の大半が、支配の色じゃない緑に変えられてしまい、そのせいで自分の身体の“水”が自分のものだということがわからなくなって、支配下にあることが認識できなくなり、残ったわずかな部分を守るために自分の殻にこもってしまっている。というのが現在の状況だ。
しかも、黄色の侵食は今だ侵攻している」
「どうすればいいの?」
すがるように聞いてくるタバサから視線をはずし、サイトは困ったように頭をかいた。
「俺の水への干渉も厳密には水の色を自分色に染めているってものだ。その能力を応用して緑もおまえの支配している色だって教えていけばいいんだが……時間がかかりすぎる。少しずつ、少しずつ慣らしていかないといけないだろうから、今日明日で終わるようなことじゃない。もっと余裕のあるときじゃないと」
「なら、いまのうちに少しだけでもやってみたらどうなの?」
ルイズの提案に一同が頷くが、サイトは首を振る。
「本当に時間のかかる作業な上に一回一回の間を開ければ、また振り出しに戻ってしまうと思う」
「なら、ダーリンだけここに残って治療してあげれば?」
「そうするのがベストだが、な」
(監視の目とか、色々ありそうだからな……)
そのとき、扉が開いて老執事のペルスランが一通の手紙を手に部屋に入ってきた。
「王家よりの指令でございます」
話を打ち切って、タバサはそれを受け取ると、無造作に封を開けて読み始めた。読み終えると、軽く頷いた。
「いつごろ取り掛かられますか?」
「明日」
「かしこまりました。そのように使者に取り次ぎます。御武運をお祈りいたします」
そう言いのこすと、ペルスランは部屋を出て行った。
「ここで待ってて」
サイトはタバサから手紙を奪い、指令を読むと、笑みを浮かべた。
「おいおい、この指令に俺を置いて行くとはどういうことだ? 俺はいっしょに行くぞ」
「使い魔が行くのにご主人様が行かないわけには行かないわ」
タバサの頭を撫でながら言うサイトにルイズも便乗する。
「ダーリンがいれば、いざってときも安心だしぃ」
「危険」
「今までだって、危険なことはいっぱいあったわ」
キュルケは、余裕たっぷりの笑みをタバサに向けた。
――――――――――――――――
その夜、皆は寝静まった深夜、タバサは人知れず、声を殺して泣いていた。
母を治す方法が見つかった。
兄になってくれたヒトが治してくれると言ってくれた。
時間がかかるから、今すぐは無理だし、ここでは監視の目があるだろうから、できないと言われたけど、治す方法が見つかるかど
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