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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔15
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サにぶつかる前に受け止めた。グラスを適当な場所におき、オルレアン婦人に近づいていく。婦人の顔に恐怖の色が表れ、人形をきつく抱きしめ、逃げようとするも、サイトは素早く婦人の手を掴んだ。
タバサの顔に一瞬、不安がよぎり、サイトを止めようとしたが、それをサイトは手で制した。

「放しなさない無礼者!!」

喚く婦人を無視して婦人の手を掴んでいるのとは逆の手で、婦人の人差し指をつかまえてすっと指を撫でた。撫でられた指に紅い横線が生まれ、そこから血が滲み出した。婦人がさらに喚き散らすが、それさえも無視してサイトはその指を口に咥えた。
咥えた指をまるで極上のワインの味を楽しむかのように舌を絡める。
喚いていた婦人はいつのまにか静かになり、指を咥えるサイトをじっと見ている。
5分近く指を舐めしゃぶってから、サイトは指を解放し、部屋から出て行く。タバサは慌てて母のキズを治してから一礼して、それを追いかけた。
婦人は二人の出ていったドアを見つめ、それからサイトの唾液で濡れややふやけた自分の人差し指を見つめた。


――――――――――――――――――――――


「話はさっきの執事に全部聞かせてもらったわ。私も手伝うから、何でも言って!!」

客間に戻ったタバサの手を握ったルイズの第一声がこれだった。
ルイズの様子にサイトは思わず、ため息をついた。

(また、後先考えずに……)

なんでも首を突っ込むルイズの性格は、退屈しないですむから、嫌いではない。
だが、ルイズは考えなさ過ぎるのだ。おそらく、自分が介入した時、起こる可能性が理解できていないのだろう。彼女は、つい数日前にアンリエッタに女王直下の女官に任命されたばかりだ。
隠しとおせればいいが、もしもバレた場合、ガリアの王族にトリステインの女王直下の女官がケンカを売った=ガリアにトリステインがケンカを売った→戦争開始。っという事態になりかねないと何故、気づけないのだろうか?
サイトは自分が思慮深過ぎるのか、ルイズが考えなさ過ぎるのか、分からなくなってきた。

「さてと、タバサ、おまえの母親のことで話がある」

「……」

ルイズやタバサ、キュルケの視線がサイトに集まった。

「人の身体は大部分が水でできている。その“水”は血や体液といったものだけでなく精神面にもかかわってくるものなんだ。
そして、人はその“水”を支配している」

「“水”を支配?」

「そうだ。記憶や心がつまった自分だけの水だからな、自分の管理化に無意識のうちに常に支配している。とても強力な支配力だ。
その支配された水はそれぞれ色がある、「これは自分のものだ」ってわかるようにするためのだ。
だが、タバサ、おまえの母はその色をいじられてしまっている。
例えば、“水”の色を青としよ
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