オルフェノクの使い魔14
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制だからあのオヒメサマの意志か」
「そうよ!」
「つまり、おまえはこれからこの国のためならば、どんなことでもするのか?」
「当たり前じゃない」
「なら、親兄弟でも殺せるんだな?」
「え?」
ルイズは、言っている意味がわからないという表情になった。
「聞こえなかったのか? もう一度言うぞ。親兄弟でも殺せるんだな?」
「な、なんで! そんなことしなきゃいけないのよ!!」
「国のためになるんなら何でもやるんだろう? おまえの家族の誰かが国に害をなす行いをしようとしているから殺して来いと言われたら、おまえは家族を殺しにいけるんだな?」
「お父さまや姉さまたちが、そんなこと考えるわけないじゃない!!」
「例え話しだ。
いいか? この国のために何かしたいと思うことは悪いことじゃない。否定するつもりもない。だが、簡単にすべてを捧げるなんて口にしていいものではない。国の望みとおまえの望むものが必ずしも同じとは限らない。そのズレがあったとき、おまえは自分の望みを捨てられるのか? 国のために大事なモノを失うかもしれない。そうなったとしても、おまえは国のためと言って割り切れるのか? そのことをよく考えろよ。まだ、学生っていう子どもでいられる場所にいるんだから」
ルイズは、黙ってしまった。そんなことを考えていなかった。いや、国と自分の意志は絶対に一緒だから大丈夫だ。そう、思い込もうとしていたのかもしれない。
「…こんな言葉で迷うようなら…」
「迷ってない、くだらないこと言わないで。
私は、今までゼロゼロって馬鹿にされてきて、何もできない自分が悔しかった。
でも、自分の系統魔法を、『虚無』を手に入れた。この力でできることをしたいの」
(……
ムダにプライドだけは高い……だけじゃないな。この歳になるまで刷り込まれてきた『御国の為』って精神が原因か…トリステインって小国のくせにそういうプライドの高さっていうのが、国の発展の妨げになっているんだろうなぁ…
そう考えると、ルイズもこの国の犠牲者ってことか)
ルイズはアンリエッタのもとに戻った。
「これからも、わたくしの力になってくれるというのねルイズ」
どうやら、アンリエッタには先ほどの会話は聞こえていなかったようだ。
「当然ですわ、姫さま」
(大丈夫、姫さまは私と親友なんだもの)
その後、アンリエッタはルイズに『始祖の祈祷書』を授け、さらに女王直属の女官に任命し、国内外あらゆる場所への通行と、警察権を含む公的機関の私用を認めた許可証をわたした。
サイトにはアンリエッタのポケットマネーから金銀宝石を渡そうとしたが、サイトはそれをアンリエッタがどれほど進めようとも受け取らなかった。
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