オルフェノクの使い魔14
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はい!」
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「とりあえず、データは揃ったが、総合能力は恐らく上の下くらいか」
「それって凄いんですか?」
「ああ、間違いなく上級オルフェノクだな」
「サイトさんは?」
「俺? 峡児曰く上の上で、上級オルフェノクらしい」
「サイトさんってすごいんですね」
シエスタの尊敬のまなざしを受けて、サイトは小さくため息をつく。
(でも、身体能力においては反射速度以外、おまえの方が上なんだよなぁ…)
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大変さを極めた研修をなんとか完了させたある日、サイトはルイズに連れられて王宮に来ていた。先日の件を報告するためらしい。
あの戦いの後、婚約を解消し、女王となったアンリエッタはルイズを褒め称え、『虚無』のことは秘密にすると約束した。
「おそれながら姫さまに、私の『虚無』を捧げたいと思います」
決心した目でアンリエッタに告げるルイズをサイトは後ろから見つめた。
(こいつらって、何でこんなに国につくそうとするんだ? わかっているのか?)
「いえ…いいのです。あなたはその力のことを一刻も早く忘れなさい。二度と使ってはなりませぬ」
「神は…姫さまを助けるために、私にこの力を授けたに違いありません!」
「母が申しておりました。過ぎた力は人を狂わせると。『虚無』の協力を手にしたわたくしがそうならぬと誰が言いきれるでしょうか?」
真剣な目で見つめ合うルイズとアンリエッタをサイトは客観的な眼で見ていた。どちらの意見も支持する気はない。しいて言えば、ルイズが安直な考えで、こんなことを言い出したのではないかという懸念だけだ。
「私は、姫さまと祖国のために、この力と身体、すべてを捧げたいと常々考えておりました。そうしつけられ、そう信じて育ってまいりました。しかし、私は魔法の才に恵まれず、今まで嘲りと侮蔑の中、いつも口惜しさに身体を震わせておりました。
しかし、そんな私に神は力を与えてくださいました。私は自分の信じるもののために、この力を使いとう存じます。それでも陛下がいらぬとおっしゃるのなら、杖を陛下にお返しせねばなりません」
「わかったわルイズ。あなたは今でも……」
アンリエッタはルイズのその口上に心を打たれ、涙まで浮かべている。
「ちょっといいか?」
そんな雰囲気をサイトはさえぎった。このまま、雰囲気に流されるのはよくないと判断したのだ。
アンリエッタに断りを入れ、ルイズを部屋の隅に引っ張っていった。
「本当にいいのか?」
「どういう意味よ?」
「おまえは、この国に自分のすべてを捧げるって言っているんだぞ? いや、この国は王権
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