オルフェノクの使い魔14
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なか、サイトはシエスタに研修の目的について説明を行う。
「研修の最大の目的は、感情の起伏とオルフェノクへの変化を切り離すことだ」
「感情の起伏?」
「おまえの力ははっきり言ってメイジたちよりも強い。今まで通りにおまえがメイドをするなら、いつぞやかのように、おまえが悪いわけでもないのに、責められてイライラすることに直面するだろう。そういうときに思わず、ビンタしたら相手の首がどっかに飛んでいきましたってことになりかねない。
そうならないようにするのがこの研修だ。
まぁ、慣れれば、そんなこともならないんだが、そうなるまでどれだけかかるか分からないからな」
「私もサイトさんと同じになったってことは、サイトさんみたいに戦えるってことですよね?」
「戦いたいのか?」
「サイトさんの力になりたいんです!」
嬉しそうにこちらを見るシエスタにサイトは冷めた目で呟いた。
「…人を殺すってことだぞ。おまえにその覚悟があるのか?」
「ッ!?」
サイトの手伝いができるという想いで、無意識の内に考えないようにしていたことをまっすぐに指摘された。
「間違えるな。この研修は力を制御するためのもので、戦闘訓練じゃない」
そう言ってシエスタの頭に手を乗せ、撫でた。
「どうしても、力が必要だと感じたなら、付き合ってやる。だけど、とりあえず、今は研修だ。
早速、オルフェノクになってみろ」
「はい!」
元気を取り戻したシエスタは返事をして、グッと力を入れた。そんな力む必要などないのにと苦笑しながら、サイトは眺めていた。
三分ほどして、シエスタは力むのを辞めてこちらを見てきた。
「ん?」
「どうすれば、変身できるんですか?」
サイトは思わず脱力しそうになるが、何とか耐えた。
「内側にある力を外に出すって感じだな」
「わかりました」
シエスタは深呼吸をしてから目を閉じ、意識を集中させる。
(内側にある力を外に出す。内側にある力を外に出す……)
シエスタの顔に灰色の模様が浮かび上がり、続いて光と共にシエスタの姿が変化した。頭部は、犬耳のついたベッドギア、首には首輪、メイド服のような形をしたボディ、犬の特性をもったオルフェノク、ドッグオルフェノクとなった。
「ほら」
「これが…私、ですか?」
「ああ、それがおまえだ」
渡された鏡に映る自分を見て、ドッグオルフェノクは戸惑いの声を上げた。異形となってしまったことを改めて自覚したらしい。
「さてと、まずは…走れ」
「はい!」
「跳べ」
「はい!」
「殴れ」
「はい!」
「蹴れ」
「はい!」
「見ろ」
「はい!」
「聞け」
「
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