オルフェノクの使い魔14
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翌日、宴会を続けるから残って欲しいという村の人々の声を振り切り、サイトたちは学院に戻った。
サイトは戻るとすぐにオスマンのいるであろう学院長室にやってきた。
「なるほど、そのメイドをサイト殿の目の届くところにおいておけばいいわけじゃな?」
「ああ」
「とりあえず、そのメイドは……そうじゃな、実験に巻き込まれて何らかの影響を受けているかもしれないため、メイジの側においておく…というのはどうじゃ?」
「いいかもな、普通のメイジなら…だが、俺のゴシュジンサマはルイズだぞ?」
「………無理じゃな、説得力がない……なら、死にかけた彼女を治すためにハーフドラゴンの秘術をつかったが、その秘術が人にどのような影響を与えるかわからないため、サイト殿の側にいるというのはどうじゃ?」
「妥当だな……それにしても、よくそんなに作り話がすぐ思いつくな」
「昔は、ホラ吹きで有名じゃったからのぉ」
「今じゃただのスケベジジイか」
「おお、これは一本とられた」
そう言って笑うオスマンにつられてサイトも笑みを浮かべた。
「三人だとあの部屋、狭いんだが」
「わかった、すぐに用意しよう」
その後、寮の最上階にあった物置の一部を改築した通常の2倍は広い部屋に引っ越すことになった。引越しに難色を示していたルイズも広い部屋に機嫌を直し、窓際のベッドを自分のものにした。
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シルフィードは楽しそうにきゅいきゅいと鳴きながら、ヴェストリの広場に向かっていた。この時間、彼女のご主人様を含めた学生たちは授業を受けているため、誰も居ないはずの広場では、彼女が恋する灰色の水龍が訓練をしているはずだ。
シルフィードはそれを見るのが好きだった。彼はよく分かっていないようだが、彼は水の精霊に愛されているし、彼も水を愛している。だから、水は嬉々として彼の呼び声に応え、望みをかなえようとする。
そこまで精霊に愛されている彼に、シルフィードは尊敬と憧れを持っていた。
(あら? 今日はまだ、クンレンしてないの? それとも、タイジュツのクンレン? きゅいきゅい??)
かなり近くまで来ているのに、水の精霊の声が聞こえてこないことに気づき、彼女は首をひねった。
彼は、特殊能力の訓練に重点をおいていたが、たまに身体能力の訓練を行うこともあった。
まだ始めていないのならば、昼寝でもしながら待てばいいと考えてシルフィードはヴェストリの広場に降り立った。
「きゅい〜〜〜!?」
(そのメスはなんなのねぇぇぇぇ!!!!)
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シルフィードが絶叫する
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