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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔14
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ちオルフェノクは人間をオルフェノクに変える力がある。だが、何故かこの世界の人間にはそれが効かない。実際に俺が全力でやってもダメだった。でも、シエスタには、オルフェノクの血が流れていたせいか、オルフェノクになることができたみたいだ」

「じゃ、じゃあ、私の家族も…」

「それはわからない。ためしにやってみるか? この世界の人間なら、何ともないが、俺のいた世界だった場合、失敗すれば死ぬけど?」

サイトは窓から外を見た。そこには主役たちがいなくなっても楽しげに騒いでいる村人たちがいた。

「いえ!! 結構です!!」

シエスタは慌てて首を横に振った。

「とにかくそういうわけだから、シエスタ、おまえには研修を受けてもらう」

「研修…ですか?」

「そう、研修だ。オルフェノク化したばかりのとき、その力を制御できず、人を殺してしまったということも少なくない。そうならないために、オルフェノクになったばかりのやつには研修を受けてもらって自分のもった力を自覚させ、しっかりとその力を制御させるというものだ。一週間ぐらいで終わるはずだ。
それと、拒否権はない」

(なるほど、そういうのを村の人に気づかせないためだったってわけね…)

本来、この研修はスマートブレインのコンピュータが、その新人オルフェノクに適した先輩オルフェノクを選出し、研修を行うのだが、この世界でサイトの知っている範囲で研修を行えるオルフェノクは自分しかいないため、サイト自身が行うことにした。

「で、そのことをあたしたちに教えたのはもしものときのフォローを頼むためかしら?」

今まで黙っていたキュルケが口を開いた。

「ああ、学院に帰ったら、オスマンのジジイにも報告して俺の監視下におくつもりだが、俺の目の届かないところでなにかあったときは頼む」

「ダーリンからのお願いだもの、イヤなんていわないわ」

「わかった」

「しょうがないわね」

頷いた3人にシエスタは礼を言おうと立ち上がろうとして足をつまずかせた。

「キャッ」

「っと」

近い位置にいたサイトが倒れるシエスタを抱きとめた。

「あ、ありが…」
(こ、こんなに近くにサイトさんが…ああ、サイトさんのにおいが……においがぁ)

サイトに抱きとめられたシエスタはそのまま座り込んでしまった。

「ちょ、ちょっとどうしたのよ!?」

「ふぇ?」

慌てて駆け寄り、肩をゆするルイズにシエスタは惚けた顔を向けた。

「ね、ねぇ、ダーリン、この娘どうしちゃったの?」

「サイトさんのぉにおいぃ…」

ぽぉ〜っした惚けた顔のままシエスタは呟いた。
オルフェノク化して嗅覚が発達したため、サイトのにおいに酔ってしまったのだ。


―――――
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