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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔13
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い!! 力よ!! 最強の力ぁ!!!」

デルタは空中で反転し、足から円錐に飛び込み、光となってワルドに突っ込んでいく。
デルタの持つ、唯一にして最強の技、ルシファーズハンマーがワルドに叩き込まれた。

「オオオォォォ!!!!」

「グガァァァァァァ!!!!」

ワルドを突き抜け、デルタは再び落下を始めた。
その背後には、風竜とともに、Δの紋章を刻まれたワルドが、赤い炎を上げて灰となって消えた。
灰の雨に浴びながら、落下するデルタの足元に狙い済ましたかのように、ゼロ戦が滑り込み、デルタをキャッチした。

「タバサ、もういい」

「わかった」

変身を解除したサイトは、キュルケからルイズを受け取り、タバサを下がらせて再びレキシントンの真上を旋回する。


―――ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル……―――


詠唱中、ルイズの中でリズムが生まれる。
心が、頭が理解していく。これが自分の系統、自分の本当の力だと。
喜びが生まれる。ああ、ようやく見つけた! 自分の魔法!!
そして、長い詠唱ののち、呪文が完成した。
その瞬間、ルイズは己の呪文の威力を、理解した。
その威力は、自分の目の映るすべての人を巻き込む、と。
選択は二つ。殺すか、殺さぬか。

『今、なすべきこと、望むことを考えろ。そうすれば、身体は自然と正しいと思うほうへ進んでいく』

何故か思い出したその言葉に頷き、ルイズは下に見える戦艦をみつめた。
覚悟は決まった、後は実行するだけ…
ルイズは己の衝動に準じ、宙の一点めがけて、杖を振り下ろした。

「エクスプロージョン!!」


――――――――――――――――――――――――


アルビオンの一方的な宣戦布告と侵略を受け、ウェディングドレスを破いて戦場にやってきたアンリエッタは、信じられない光景を目にした。今まで、散々自分たちに砲撃を浴びせかけていた巨艦を中心とした艦隊が、まるで太陽のような光に飲み込まれ、すべての戦艦の帆が、甲板が燃え、次々と墜落していった。
アンリエッタをはじめ、誰もが、呆然とその光景を眺めていた。
一番初めに我に返った枢機卿のマザリーニは、空にきらめく銀翼を見つけた。ゼロ戦だ。

「諸君! 見よ! 敵の艦隊は滅んだ! 伝説のフェニックスによって!! あの空に飛ぶ翼を見よ! あれはトリステインが危機に陥ったときに現れるという、伝説のフェニックスですぞ!! おのおのがた! 始祖の祝福我にあり!!」

マザリーニは口からでまかせをならべ、地に落ちかけていた兵たちの戦意を奮い立たせた。
そして、アンリエッタの声と共に、兵たちは手元に転がり込んできた勝利を得るため、反撃を開始した。

「全軍突撃ッ! 王軍ッ! 我に続けッ!!」
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