オルフェノクの使い魔13
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振り切ろうとするも、攻撃力のある火竜ではなく、速さのある風竜にのっているため、ピタリと後ろについてくるワルドにサイトは顔をしかめた。
「タバサ、こっちにきてくれ」
呼ばれたタバサはルイズとおなじように隙間を通って前の座席に移動した。
「俺が合図したら、これを思いっきり引っ張れ、俺がいいって言うまでだ」
そう言ってタバサに操縦桿を握らせ、シートベルトをしてやってから、立ち上がり、後部座席に一人取り残されたキュルケにもシートベルトをさせ、その肩に自分の肩に乗っているルイズを乗せた。
「しっかりと持っていてやってくれ。ここから落ちたら、簡単にミンチになるから」
文句を言おうとしたキュルケはミンチになったルイズを想像し、慌ててしっかりと掴んだ。
サイトはタバサの上から自分の手を乗せて必要なときがくるまで、操縦を行う。
水が、背後にいるワルドの詠唱が終わりつつあることを教えてくれた。最後の部分、魔法の最終構成を行うため、精神に全神経が集中する瞬間をサイトは逃さなかった。
「今だ!」
「ッ!!」
タバサは力一杯、操縦桿を引いた。とたん、ゼロ戦は急上昇を始めた。
サイトが止めないため、タバサはそのまま操縦桿を引き続ける。上昇は宙返りへとかわり、段々と空が下に見え始めた。
そのとき、ふわっとサイトがゼロ戦から離れた。
「「ッ!?」」
タバサとキュルケは悲鳴をあげそうになったが、ギリギリのところで、サイトが飛べたことを思い出し、悲鳴を飲み込んだ。
タバサはまだ、操縦桿を引き続ける。サイトが「いい」と言うまでは、何があっても引き続けるつもりだった。
―――ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ―――
ゼロ戦から自然落下したサイトは、デルタフォンを握っていた。
「変身」
<Standing By>
<Complete>
デルタはベルトの中央にあるミッションメモリーΔをはずし、デルタムーバーに差し込む。
<Ready>
銃身が伸び、デルタムーバーはブラスター・モードから、ポインター・モードへと、移行した。
「Check」
<Exceed Charge>
白い光がフォトンストリームを駆け抜け、ポインターに注がれる。
首を上げると、そこには標的を見失って荒々しく周囲を見回すワルドが見えた。冷静沈着だったはずの男の姿を見てサイトは確信した。
「やっぱり、コワレたか…
…これが、貴様が欲している光だ。好きなだけ受け取れ」
引き金を引いた。
ポインターから放たれた光は、ワルドの目の前で三連続の円錐となって展開された。
ポイントされ、身動きの取れなくなったワルドは、迫るデルタに狂気の笑みを浮かべた。
「さぁ、来
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