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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔13
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いよりは試した方がマシだし、他にあの戦艦をやっつける方法はなさそうだし……ま、やるしかないのよね。わかった。とりあえずやってみるわ。やってみましょう」

ルイズの独り言のような言葉に、サイトは眉をひそめたが、ふと気がついた。これは自分を追い込もうとしているのだろう。逃げ出せないように自分で自分を追い込む。そうやって自分のテンションを高めるという方法をやっていたSWAT隊員がいたなと、おもいだしつつ、サイトは確認をとる。

「大丈夫なんだな? いざってときに何もできませんでしたなんてことになったら、人間爆弾にしてあの戦艦に叩き込むからな」

「ダ、ダイジョウブヨ!」
(お願い!! 絶対に成功して!! 殺されちゃう!!)

ルイズは確かに見た、サイトの目は冗談を言う目ではなかったことを。
サイトはゼロ戦をレキシントンの真上に向かわせた。戦艦の周囲を飛び回り、そこが死角であることに気がついたのだ。
ルイズはサイトの肩に跨り、風防を開けた。

「私が、合図するまで、ここをぐるぐる回ってて!」

ルイズは息を吸い込み、目を閉じた。それからかっと見開く。
『始祖の祈祷書』に書かれたルーン文字を読み始めた。
サイトはルイズの指示通り、旋回を開始しようとしたとき、背後から先ほどまでの火竜とは比べ物にならないスピードで、迫る一騎の竜騎士に気がついた。
ワルドであった。


―――エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ―――


ワルドはイライラしていた。あの力が欲しい。あの白く、今まで感じたこともない圧倒的な力。あの力さえあれば、こんな組織にいなくても、自分の望むがままに世界をかえられるそんな力。
ワルドはデルタの適合者でなかったため、デルタのデモンズ・スレートによってデルタの力に魅入られてしまっていた。
彼は、クロムウェルの命を受けてこの侵略作戦に参加することとなった。だが、彼の心は別のところにあった。
どこを探しても、あのバケモノやルイズの死体はなかった。そうなると、可能性は一つだ。おそらく、彼等は生き延びている。ワルドは早く、彼らのいるであろう学院を襲いたかった。
あの力はたぶん、あのバケモノが持っていったに違いない。今すぐにでも行きたいのだが、この作戦は、あの力を再び手にするために必要なことだと、自分自身を納得させ、ワルドは焦る気持ちを抑えて目の前の任にあたっていた。
しかし、その意識も突如現れたなぞの竜騎兵を見て、彼の頭の中から追い出されてしまった。あれはどう見ても、ハルケギニアのものではない。
ならば、あのバケモノが関わっている可能性が高い=ヤツはあの力をここに持ってきている!
そんな答えを導き出したワルドは機を狙い、ついに敵の背後を取った。


―――オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド―――


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