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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔13
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気なくページを開いた。
その瞬間、指にはめた水のルビーと『始祖の祈祷書』が光りだした。
光が収まると、そこには文字が書かれていた。

「な、なによ、それ!」

「知らないわよ。真っ白だったのに、なんか文字が書いてある」

そう言って、キュルケに『始祖の祈祷書』を向けた。

「何にも書いてないじゃない。気でも狂った? ゼロのルイズ」

「何言っているのよ、ほらここ…」

「何も書いてない」

「え!?」

キュルケとタバサはこんなときに何をふざけているんだという顔で、ルイズを見た。
こんな状況だ。この二人が、ウソをついているとは考えられない。

(私にしか、見えてない?)

ルイズは、自分だけが読めるらしい、それを読むことにした。うるさいくらい、高鳴る鼓動を無理やり押さえ込み、詠み進める。
そこには、伝説と呼ばれたゼロ番目の系統、『虚無』について書かれていた。


―――――――――――――――――――


あらかた竜騎士を落としたサイトは、新たな獲物として敵の旗艦『レキシントン』を選んだ。
旗艦が襲われていることに気づけば、他の艦はこちらまで退いてくるはずだし、先ほどまでの様子では、この艦が一番、厄介なようだ。その戦艦の注意をひきつけることができれば、トリステイン軍が持ち直し、結果、サイトの望む有利な状況になってくれるはずだと、計算した上でだった。
サイトは知らなかったことだが、このときすでにトリステイン軍の空軍は壊滅状態にあり、とてもではないが、戦線に戻れる状態ではなかった。
サイトは、水の壁を展開し、レキシントンから放たれる散弾を防ぐ。だが、できるのはそこまでだ。ゼロ戦の機関銃ではレキシントンを落とすことは不可能に近い。甲板に出ていた兵を無慈悲に屍にかえたが、外にいたら狙われると学習したらしく、最初のころこそ仲間を助けようと甲板に姿を現すものが居たが、今では外に出てこようとする者はいなくなっていた。
無駄弾を撃つことを好まないサイトは、確実に落とせる方法を探していた。そのとき、後部座席から、狭い隙間を通ってルイズが前にやってきた。キュルケが続こうとするも、彼女のグラマラスな身体では隙間を通ることはできなかった。

「何のようだ?」

レキシントンから放たれる散弾を、雲をつかって作り出した壁で防ぎつつ、自分の足の間に座り込んだルイズの頭部を見た。

「信じられないんだけど…上手くいえないんだけど、私、選ばれちゃったかもしれない。いや、なんかの間違いかもしれないんだけど」

「わけのわからない話しをしているほど暇じゃない」
(クソ、特攻機だろ、爆弾の一つでも積んでいろよ)

「いいから、このひこうきとやらを、あの巨大戦艦に近づけて。ペテンかもしれないんだけど……何もしな
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