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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔13
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った村が真っ赤な炎と真っ黒な煙で染め上げられていた。炎は森にまで燃え広がっていた。

「楽しんでやがる…」

侵略のための前線基地にするなら、ここまでする必要はない。
世界に支持を得たいなら、必要最低限の攻撃だけでいい。
ここまでトリステイン軍の兵を引っ張り出し、一気に殲滅しようとしている、という作戦の可能性も考えるが、すでにトリステイン軍がきているのだから、襲い続ける必要などない。
タルブの村に脅威となるものがあったのだろうか? そんなわけない。
なら何故、メイジもいないこんなド田舎を襲うのか、敵の様子を見ればわかる。トリステイン軍は防戦一方だ。彼らにとってタルブの村をおそうのは、遊びでしかない。
サイトは操縦桿をたおし、攻撃に出た。

(さぁ、楽しい楽しいダンスパーティーの始まりだ)


――――――――――――――――――――――――――――


「三つ!」

三人目の竜騎士に機関銃の弾をプレゼントしてサイトは次の獲物を探す。竜だけにねらいを定めて撃つなどということはしない。むしろ、人間を狙っている。生命力の強い竜を撃って無駄弾を消費するよりも、一発で終わりの人間の方が簡単に終わる。そのついでに流れ弾で竜が死ねばラッキーくらいにしか考えていなかった。
機体の周辺を漂う空気中の水分を掌握し、全方向に目を向けている。

(次のダンスのお相手は…右下からくる三騎)

素早く操縦桿を引いて宙で半円を描く、同時に後ろから悲鳴が上がる。サイトは、三騎を真上から捕らえた。敵の火竜が正面にくると同時に引き金を引く、こちらは重力を味方につけた上に互いに向かい合って加速している状態だ、その威力は格段に上がる。サイトに、照準機など必要がない。ガンダルーヴとオルフェノクの能力を組み合わせてあたると確信をもてるタイミングを計ることは容易だ。
水から与えられる情報の中で必要なものを選び、ガンダルーヴの力で発射する瞬間を見極める。
瞬く間に三騎を落としてしまった。

「すごい…」

「天下無双のアルビオンの竜騎士が、まるで虫みたいに落ちていくわ!」

「夢でも見ているのかしら!」

三者三様の声を聞きつつ、サイトは命を賭けたダンスの相手を探すため、ゼロ戦を操る。


―――――――――――――――――――――


後部座席に入ったルイズは何度目かの悲鳴を上げた。

「いやぁぁぁ!!」

風防に鼻をぶつけて涙目になったとき、足元に『始祖の祈祷書』が落ちていることに気がついた。どうやら、これに乗るとき持ち込んだが、激しい左右上下の運動に耐えきれずに落としてしまっていたようだ。
ルイズは『始祖の祈祷書』を粗末に扱っちゃいけないと、慌てて拾い上げ、ついでにこれ以上、揺らさないでくれと、祈ろうと思い、何
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