オルフェノクの使い魔12
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彼に近づけてはいないようだ。
そう、キュルケは考えているが、一つ間違いがある。タバサとシエスタには同族意識を持っており、人間としてみていない。つまり、実は、キュルケは人間で一番、サイトの近くにいるのだった。
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ミズチオルフェノクが、ゼロ戦を水で下から持ち上げて学院に戻ってきた。
終始ミズチオルフェノクと一緒に飛ぶことができてシルフィードがご機嫌だった。
学院につくと、早々にキュルケやタバサ、ギーシュは先生に捕まり、現在説教を受けている。
使い魔であるサイトは一切お咎めなしだ。
シエスタは、一週間早い休暇に入ったため、タルブの村においてきた。
「サイトくん! これは一体何かね!?」
「丁度いいところにきたな、コルベール。手伝え」
「いいとも、いいとも!! で、私は何をすればいいのかね!?」
学院まで運んだゼロ戦に損傷がないか調べていたサイトのもとに鼻息を荒くしたコルベールがやってきた。
そのコルベールにこれが空を飛ぶことのできるものだと教えると、子どものように目を輝かせた。
「ガソリンが必要なんだ」
「ガソリン? なんだね、それは」
「ガソリンっていうのは……」
「なるほど、それがあれば、このひこうきは飛ぶということか。
ヨシ! そのガソリンの製作は任された!!」
サイトからガソリンについての説明を受けたコルベールは、そういうと自分の研究室に飛んでいった。
「さてと…」
サイトは、コップに入れてきた水をほんのわずかにある隙間に流し込んだ。外装を外して中を調べるのが面倒なため、水で中の状態の確認を行う。水に触れればアウトな部分もあるため、より精密操作が必要になるので、オルフェノクになる。
中を調べつつ、操縦桿を握ったり、スイッチに触れる。ガンダールヴのルーンが光り、情報を与えてくれる。
「内外ともに異常なし」
そういって人間体に戻ったサイトは、ゼロ戦から降りた。
「問題はこいつか」
そう言って弾倉から、弾を一つ取り出した。
この世界で、機関銃の弾を手に入れることは不可能だ。となると、残る入手法は、
「作るしかないか」
となる。
「なにをつくるの?」
「ん? 弾」
「ふぅ〜ん、それってご主人様に戻ってきたことを報告するよりも大事なことなの?」
「さぁ?」
背後からかけられたとげとげしい声に振り返ることなく応える。
「……」
「……」
「これなんなの?」
「飛行機」
「ひこうき? なにそれ?」
「空を飛ぶ乗り物」
「あんた自分で飛べるじゃない」
「自分で飛ぶと疲れるんだよ」
こちらを見ないサイトに
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