オルフェノクの使い魔12
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いないか?」
「え〜っと…うちのおじいちゃんは、今遠くに出かけてていないから……あ、おばあさんなら、知っていると思います。何せ、村一番の長寿ですから」
「案内してくれ」
――――――――――――――――――――――――
疲れたということで、ギーシュは一足先に本日の宿であるシエスタの家に行ってしまったため、サイトたちはシエスタの案内で、老婆の家を訪ねた。
「タケオさんのことぉ?」
「そうだ。その人だが、死体がなかったんじゃないか?」
幼い曾孫の相手をしていた老婆に、時間を取ってもらい、話を聞くことができた。
サイトの質問に老婆は目を見開いた。
「ええ、ええ、タケオさんは突然いなくなってしまって。みんなで探し回って部屋の中に遺書を見つけたの。あのころ、読み書きができたのは、タケオさんだけで、貴族様にお願いして読んでいただいたから、よく覚えているわぁ」
「……」
「そうそう、そういえば、タケオさんが現れてから、豚のバケモノが現れだしてねぇ。最初はみんな、怯えていたんだけど、そのバケモノ、みんなを助けてくれて、最後には神さまの使いじゃないかって崇められていたんだけど、タケオさんがいなくなると一緒にいなくなってしまったの。もしかしたら、タケオさんが神さまの使いだったかもしれないねぇ」
懐かしそうに語る老婆に礼をいい、その家を出た。
―――――――――――――――――――――――――
サイトは、寺院で『竜の羽衣』を見上げていた。
「ダーリン、なんでこの娘のひいおじいさんの、遺体がないって分かったの?」
「俺と、同じだからだ」
「うちのひいおじいちゃんが、サイトさんと同じ?」
質問の答えがよく分からないらしく、シエスタは首をかしげた。
サイトは、薄く笑みを浮かべてから、ミズチオルフェノクへと変化した。
「おまえの曽祖父、俺と同じオルフェノクだったみたいだな。なるほど、シエスタから俺と似た気配を感じるわけだ」
(祖先返りというヤツか)
ミズチオルフェノクの姿にシエスタは目を見開いた。
「怖いか?」
「い、いえ! 夜にたまに見かけていましたし、明るいところで見るのが初めてで、驚いただけです」
シエスタは首がもげるんじゃないかというくらい首を横に振った。
「質問の答えになってない」
じっとタバサは、ウソを見逃さないように話を濁されないようにサイトを見ていた。
「ん?」
「なんで、オルフェノクだと遺体がないの?」
「……俺たちオルフェノクは、死ぬと灰になる。骨なんて一つも残らないただの灰にな。
まぁ、急激な進化の代償だ」
(もう一つ、寿命って対価も払っているんだが…これは言わないほうがよさそうだ
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