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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔11
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れに…」

「それに?」

「それに、それ、私のひいおじいちゃんのものなんです」


―――――――――――――――――――――――――


ルイズは授業を休んでいた。というよりも、引き篭っていた。食事、風呂、トイレ以外に部屋を出ず、ベッドの中に閉じこもっていた。
あの日、サイトが出ていったあと、不貞寝してしまい、朝起きると、『キュルケたちと宝捜しに出かける。ついでにギアの機能テストをしてくる。 by平賀サイト』と書かれた書置きが机の上に置いてあった。
聞いた話だと、他のメンバーはタバサとギーシュ、それからメイドが一人らしい。先生たちはカンカンで、帰ってきたら、罰として講堂の全掃除を命じるつもりらしい。
なんで、自分を誘ってくれなかったんだろう。最初は、そう考えたがその理由は目の前にある『始祖の祈祷書』だ。たぶん、自分が居なくて静かなうちに考えておけ、というつもりでルイズには声をかけなかったのだろうと予想できたが、それでも、納得できなかった。
ベッドの中で、サイトが寝るときに使っていたマントに包まり芋虫みたいになって丸まっていた。

部屋がノックされた。
適当に返事をすると、ドアが開いた。ルイズは驚いた。現れたのが、学院長のオールド・オスマンだったからだ。ルイズは、慌てて起き上がろうとするが、芋虫モードになっていた彼女は、ベッドから落ちて、その姿を思いっきりオスマンにさらしてしまった。

「……」

「……」

「新しい遊びか何かかね?」

「い、いえ、そういうわけでは…」

「まぁ、どうやら、具合は悪くなさそうじゃな」

何とか起き上がろうとくねくねもがいているルイズを面白いものを見るかのように見つつ、オスマンはイスを出して腰かけた。

「ミコトノリはできたかの?」

はっとした顔で、くねくねをやめてルイズは申し訳なさそうに首を振った。

「そうかそうか」

「申し訳ありません」

「まだ式まで、たっぷりと時間はある。ゆっくりと考えるといい」

ルイズが頷くのを見ると、オスマンは腰を上げた。

「サイト殿はどうしたね?」

ルイズは長いまつげを伏せて、黙ってしまった。オスマンは、微笑を浮かべた。

「彼は背中でものを語る漢じゃ。きっと言葉足りず、すれ違ってしまうこともあるじゃろう。だから、しっかりとそばで見ていなさい。彼の語るものをしっかりと一語一句逃さぬよう」

そう言って、オスマンは出ていった。

「…そばで見てろって言われても、あいつがどっかいっちゃったんだもん……
って、オールド・オスマン!!
せめて起こしてから帰ってぇぇ!!!」

その後、二時間ほど悪戦苦闘して芋虫モードから脱することができたルイズであった。
そのため、真っ白な『始祖の
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