オルフェノクの使い魔11
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し離れたところから覗いていたシエスタがそう呟いたが、キュルケが首を横に振った。
「ううん、殴っておくべきよ。ギーシュは仮にも、軍人貴族の人間だもの。作戦の大切さをちゃんと理解させなきゃダメよ」
「そういうものなんですか?」
「そうもの」
ギーシュと同じ軍人貴族出身のキュルケは、サイトの正論を誰よりも理解し、同じ軍人貴族としてギーシュに思わずため息をついた。
―――――――――――――――――――――
その夜、一行は寺院の中庭で、焚き火を囲んでいた。
「それにしても、全然、まったくもって、宝物なんて、ないじゃないか!」
シエスタの故郷の料理、ヨシェナヴェを食べていると、ギーシュがキュルケを睨みつつ、言った。
これまで手に入れた宝は、どれもこれもガラクタばかりで、売れたとしても、二束三文くらいにしかなりそうになかった。
「地図を見て気づかなかったのか? どれもこれも、キュルケの言うような昔のものじゃないぞ」
「どういうことですか?」
「適当に古そうな地図に、適当な話をくっつけて売っているってことだ」
「つまり、ニセモノ」
「なんで、気づいていて、それを言わないんだ! きみは!!」
「もう一つ、地図自体を魔法で加工して崩れないようにしていたって可能性があったからな。
まぁ、中には本物も混じってはいたみたいだけど、地図があるのの定番、先を越されたみたいだな」
サイトはギーシュのツッコミをさらりとかわし、ヨシェナヴェをすする。
「もういい、学院に戻ろう。モンモランシーは、誠心誠意を持って説得する」
「えー!!」
「えー!! じゃない!こんな遊びに付き合ってられるか!」
「勝手に参加したのはあなた」
「うッ!」
タバサの鋭い指摘にギーシュは言葉を詰まらせた。
「まぁ、そろそろ、潮時って気もするわね。でも、なんにも成果が出ないまま帰るなんていやよ。
だから、最後にこの宝を探しに行きましょ。これがダメだったら、学院に帰りましょう」
そういって出した地図を覗き込んだ。
「『竜の羽衣』って宝物があるらしいのよ」
「えぇ!?」
「うわちゃァァァ!!」
メイドだからという理由で、給仕に徹していたシエスタが驚きの声を上げて思わずお代わりをよそっていたお椀を投げてしまった。投げたお椀は、狙ったかのようにギーシュに直撃し、中になみなみと入れられていたヨシェナヴェをかぶって大騒ぎしている。
即座にサイトが指を鳴らして水をぶっかけてやった。
「そ、それホントですか!?」
「なによあなた。知ってるの? えっと場所は、タルブの村の近くね。…タルブってどこよ」
「私、知ってます。だって私の故郷ですから。そ
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