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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔10
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。俺は、自分にとってメリットがないにもかかわらず、強力な軍事力のある国に売ろうとしているケンカの手伝いなんてできないな」

だが、サイトはその期待を裏切り、自分の求めを切り捨てた。それでも、タバサはサイトに力を貸して欲しいと思った。そして、彼が振り向きたくなるようなカードがないか、必死に考えた。

「…私をあげる」

「ん?」

「私があなたのものになる」

これがタバサの引っ張り出したカードだった。

「…そんなこと言っていいのか? 俺がもし、すべて終わったあと、母親に会うなといったらどうする? 完治して元気になったというのに会えない。抱きしめてももらえない。
そうなったとしても、おまえは文句を言うこともできないんだぞ?」

「それでもいい。母さまが、治ってくれれば」

「その覚悟、忘れるなよ」

おもしろい、サイトは心の底からそう思った。タバサの覚悟は、口先だけのものではない。本気でそうなったとしても、願いをかなえたい。そう、彼女の揺るがない瞳が言っていた。

「手を貸そう」

タバサの目が輝いた。それだけ、彼女にとってサイトの協力は心強かった。

「もう一つだけ、お願いがある」

「なんだ?」

「兄さまになってほしい」

「ハ?」


――――――――――――――――――――――――


夜にも、ルイズの変化が現れた。

「サ、サイト!」

「…なんだ?」

下を向いたまま、顔を真っ赤にしたルイズが震える声で続ける。

「そ、その、今までがんばってくれたし、え、えっと…いつまでも、床じゃあんまりよね。だ、だか、ら……べ、ベッドで寝ていいわよ!」

「いや、床でも全然気にしないし平気だぞ」

自分がこんなに必死になっているのに、けろっとした顔をしているサイトにルイズは、カチンときた。
なんだか、悔しさがこみ上げてくる。

「御主人様がいいって言っているんだから、大人しく、ベッドで寝なさい!!」

「俺は、別に構わんが、男と女が同じ寝床で、ていうのもマズイだろ?」

「あ、あああんたが、変なことしなければ、問題ないわ!」

「ムリしなくていいぞ」

「ムリじゃないもん!!」

「…」

「……」

「わかった」

ルイズの頑固さをこの短い期間で知っているサイトは、仕方ないとベッドに入った。ルイズは勝利の笑みを浮かべ、サイトの隣りに寝転んだ。
二人で寝ても、まだ余裕のあるベッドで、二人は天上を見ていた。

「…あんたって、前にいた世界で何してたの?」

「おまえに連れてこられるつい数時間前までは世界を治める企業の精鋭一万人で構成された戦闘部隊の総隊長をしていた」

「すごいじゃない。でも数時間前までって?」

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