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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔10
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えた!? って、タバサ?>

「そう…」

<なんで、あんたがダーリンと一緒にいるの?>

「ついてきた」

<ついてきたって…あんたねぇ。それで、今どこにいるの?>

「トリステイン城下のそば」

<うそでしょ?>

「本当」

5分ほどしゃべらせ、そろそろいいだろうと、サイトはタバサからデルタフォンを取り上げた。

「あ……」

「もう、十分だろう?」

与えられたばかりのおもちゃを取り上げられ、納得いかないといった感じで見てくるタバサの頭を撫で、デルタフォンに話し掛ける。

「キュルケ、そろそろ、終わりにする。コルベールに返してくれ。……コルベールか? 切り方は覚えているな? それじゃ、またあとで」

サイトはデルタフォンをポケットにしまった。そのポケットをタバサがじっと見つめている。

「あとで貸してやるから」

「約束」

「で、話したいことでもあるのか?」

携帯としての機能が使えるか否かを調べるため、適当に離れた場所に行こうとしていたミズチオルフェノクが学院を出た直後、背後から追いかけてくる気配を感じ振り返ると、シルフィードと、それに乗ったタバサがいた。邪魔する様子もないのでほっといたところ、ここまでついてきてしまったのだ。

「何故、聞かないの?」

「なにを?」

「私がタバサと名乗っている理由」

「……世界には本名を名乗れないやつもいれば、自分の本当の名前がわからずにいるやつもいる。それぞれ理由があってやっていることだ。
下手に首を突っ込んで巻き込まれるのは、ゴメンだ」

「……」

「それに、必要なとき以外に無理やり聞き出すのは趣味じゃない」

「なら、聞いてほしいといったら?」

「聞くだけでいいんなら、聞こう」

タバサは、ゆっくりと自分のことを話し始めた。
自分は、ガリア現国王ジョゼフの弟王シャルルの一人娘で、ジョゼフに父を殺され、母は自分をかばって毒を飲んで精神を病んでしまったこと、そして、自分は復讐するつもりであることを話した。

「で、それを俺に話してどうしたいんだ?」

サイトは、話を聞き終わってから、ゆっくりと口を開いた。

「あなたは水を操る強力な力がある。その力を貸して欲しい」

「俺の力は、純粋に水を操るだけだ。水のメイジみたいな治癒能力はない」

「それでも、あなたの力を借りたい」

「力を貸した場合、俺に何のメリットがある?」

「……私に、あなたにあげられるものは何もない」

タバサは顔を下に向けてしまった。自分のこれまでのことを話して同情を買おうと考えていなかったといえば、ウソになる。サイトはなんだかんだ言っても情に熱い部分があると思っていた。

「なら、問題外だ
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