オルフェノクの使い魔9
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がかかりすぎる。それにただ、的を大きくしてやるだけだ……クソ!!)
ワルドの『ウィンド・ブレイク』を水球の変化した壁と威力を殺し、トライデントで受ける。
「最初の勢いはどうした? …それが本来の姿のようだが、人間の姿をしていたときと、さほど変わらないな。
このまま、ゆっくりと相手をしてやるほど、暇ではないのだ。本気を出させてもらう」
ワルドが呪文を完成させると、ワルドの体はいきなり分身した。本体をいれて五体のワルドが現れた。
ワルドの分身が懐から白い仮面を取り出し、身に付けた。それはあの桟橋で戦ったメイジのものだった。
「貴様だったのか……」
「いかにも。一つ一つが意志と力を持っている。風は偏在するのだ!」
「何、偉そうなこといってやがる! ただ、自作自演でルイズにいいとこ見せようとしただけじゃねぇか!! この三流結婚詐欺師!!」
五体のワルドの猛攻をミズチオルフェノクは二つの水球とトライデントでさばく。
だが、ミズチオルフェノクはウェールズの生命維持をしつつ、戦いをしている。しかも、ルイズとウェールズを守りながらだ。どうしても防戦一方になってしまう。
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失神していたルイズが目を覚ました。ルイズはミズチオルフェノクが苦戦しているのを見ると、はっとした顔になり、杖を掲げた。呪文を詠唱し、杖を振る。『ファイヤー・ボール』でも唱えたらしい。その魔法は分身の一体にあたり、爆発した。
激しい音が礼拝堂に響き、その分身は消滅した。
ワルドが、ルイズを睨み、魔法を放った。
ルイズは思わず、目をつぶったがいっこうに衝撃が来ない。恐る恐る目を開けると、ミズチオルフェノクの背中があった。
その背中を見た瞬間、どうしようもないほどの安心と、謝らなければという思いで胸がいっぱいになった。
「俺の部屋は分かるか?」
「え? ええ」
「部屋のベッドの上に置いてあるものを持ってこい。」
「へ?」
「早く!!」
「う、うん!」
怒鳴られ、慌てて外に向かって走り出すルイズに二体の分身が襲い掛かるが、その分身を水球が邪魔をする。
水球は霧散してしまったが、ルイズは無事に礼拝堂を出ることができた。
――――――――――――――――――――――――――――
ルイズを援護するために失った水球を生み出す余裕は、今のミズチオルフェノクにはなかった。
本来なら、一瞬で作り出してしまうところだが、アルビオンへの影響を考えると、それができなかった。
ウェールズは、明らかに自分を狙っている攻撃を受け止めて戦っているミズチオルフェノクの後ろ姿を見て、友を助けるどころか、足を引っ張っている自分がとても悔しくてならなかった。援護したいと
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