オルフェノクの使い魔9
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…人のことを言えた義理じゃないが、おまえ…最低だな」
ワルドは、あっという間に詠唱を完了させ、『ウィンド・ブレイク』を放つ。が、それよりも早くサイトの顔に模様が浮かび上がり、ミズチオルフェノクへと変化し、風の魔法をトライデントで受け止めた。
「何!?」
「今度は手加減抜きだ。さあ、パーティを始めよう」
ミズチオルフェノクはトライデントを床に突き刺し、地下を流れる水を呼び出そうとする。
「ッ!?」
(なんだ? これは…循環システム!? しかも、微妙なバランスで現状を保っている。下手に干渉すれば、アルビオンが崩れる)
トライデントを床から抜き、ミズチオルフェノクはワルドと対峙した。
―――――――――――――――――――
「…ウッ」
意識を取り戻したウェールズが呻き声をあげながら目を開けた。
「私は…死んだのか?」
「生きているよ。一応だけど」
「サイトか?」
「ああ」
思うように動かない身体を動かし、声のするほうへ身体に向ける。
そこには、ワルドと対峙するミズチオルフェノクがいた。ミズチオルフェノクの側には、ソフトボールくらいの大きさの水の球が二つ漂っていた。
アルビオンに影響を与えないくらいで集めることのできる水はこの程度だったのだ。
ウェールズはワルドに突かれた場所に目を向けると、そこにはぽっかりと穴があいており、穴の中を血がまるで血管の中を流れているかのように流れていた。
「これは?」
「やられた場所が良かったらしい。肺は無傷だったし、心臓も全壊したわけじゃなかったからな。だから、血を通常と同じように流している。これで、とりあえずは平気なはずだ」
水球を操り、ワルドと戦いつつ、ミズチオルフェノクは律儀に応える。
だが、彼は内心、かなり焦っていた。
彼はもともと、ウルフオルフェノクやホースオルフェノクのように走り回ったりする戦い方には不向きであり、特殊能力と鋭利な感覚に頼って一ヶ所に留まって戦う戦い方とってきた。
彼の能力は、『水(液体)を自在に操る』は、地球のどこにいても使えた。
海や川ならば、それが彼の武器だったし、陸は地下を流れる水があり、空だって雲がある高さまで上がれば、恐いものなしだ。
さらに言ってしまえば、現在、ウェールズの体を巡っている血のように超精密操作が可能という優れものだ。
しかし、今、ミズチオルフェノクが戦っている場所は雲よりも高く、地下の水を使うわけにもいかない場所である。彼は、今まで体験したことない場所での戦いなのだ。最初はウォーターカッターで対応していたが、ワルドに射程とモーションを見抜かれ、無駄だと理解し、今は使うのをやめた。
(飛龍形態になって一気に…だめだ。ここじゃ、ブレスを撃つまでの時間
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