オルフェノクの使い魔8
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てくれた。
そばに居るだけで安心できる。
―――今、なすべきこと、望むことを考えろ―――
―――――――――――――――――――――――――――
その頃、ミズチオルフェノクは飛龍形態となって自分の限界まで上昇してきた。ワルドとルイズが一緒にいるのは危険だと思えたが、そばにウェールズがいるため、とりあえず、安心してここまで飛んできたのだ。
(アルビオンからなら簡単だと思って、限界まで上昇して、もしかしたら衛星が見えるかもって思ったんだけどな。ムリだったか…)
そんなことを考えながらサイトは降下を始めた。
「ん?」
視界がぼやけた。まるで陽炎のように左眼の視界がぼやける。
(これのせいか?)
ミズチオルフェノクは左手の甲を撫でた。
――――――――――――――――――――――
「新婦?」
ウェールズがこちらを見ている。ルイズは慌てて顔を上げた。
「緊張しているのかい? 仕方ない。初めてのときは、ことがなんであれ、緊張するものだからね。では繰り返そう。汝は始祖ブリミルの名において、このものを敬い、愛し、そして夫と…」
ルイズは気づいた。誰もこの迷いの答えを、教えてくれない。
『今、なすべきこと、望むことを考えろ。そうすれば、身体は自然と正しいと思うほうへ進んでいく』
(私のなすべきことは…、望むことは……)
ルイズは深く深呼吸して、決意した。
ウェールズの言葉の途中、ルイズは首を振った。
「新婦?」
「ルイズ?」
ルイズは悲しい表情を浮かべてワルドに向き直り、もう一度、首を振った。
「ごめんなさい、ワルド、私、あなたとは結婚できない」
いきなりの展開に、ウェールズは首をかしげた。
「新婦はこの結婚を望まぬのか?」
「そのとおりでございます。お二方には、大変失礼をいたすことになりますが、わたくしはこの結婚を望みません」
二人に頭を下げ、もう一度、ワルドに向き直った。
「ごめんなさい。ワルド。結婚するなら、私は、ちゃんとした、恥じないメイジになってからしたい」
「今でも、きみは、素晴らしいよ」
諭すようにいうワルドにルイズは首を振った。
「あなたが認めてくれても、私が認められない。ここで結婚したら、私はあなたに甘えて進んでいけなくなる」
ワルドは、ルイズを解きふけようとするが、ルイズは首を振るばかりだ。
すると、ワルドはルイズの肩を掴んだ。その目がつりあがる。表情が、いつもの優しいものではなく、どこか冷たい、トカゲを思わせるものに変わった。
熱っぽい口調で、ワルドは叫んだ。
「世界だルイズ。ボクは世界を手に入れる! そのためにきみが必要なんだ!!」
豹変し
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