オルフェノクの使い魔8
[5/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
明日の戦いを生き抜いてみせる。『レコン・キスタ』などと名乗っている連中に殺されてなるものか!」
「……」
「そうだ。これを預かっていてはくれまいか?」
そういってウェールズは、風のルビーをはずしてサイトに握らせた。
「私が再び、きみにあえたとき、返して欲しい」
「……わかった」
「そして、いつか、アルビオンを復興させる。そのとき、手伝ってはくれないか?」
「ああ」
―――――――――――――――――――――
ウェールズと別れ、自分に割り当てられた部屋へ向かうと、扉の前にワルドがいた。サイトは、ワルドを無視して部屋に入ろうとした。
「きみに言っておかねばならぬことがある」
「なんだ?」
「明日、ボクとルイズはここで結婚式を挙げる」
「は?」
(ここは戦場だぞ? 血生臭い殺し合いの場だぞ? いい加減にしろよ)
何を考えているんだと、思わずサイトはワルドの顔を覗き込んだ。
「是非とも、ボクたちの婚姻の媒酌を、あの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくなってね。皇太子も、快く引き受けてくれた。決戦の前に、ボクたちは式を挙げる。きみも出席するかね?」
「気が向けばな」
サイトはウザッたそうに答えると部屋に入った。
それからベッドに座り、布で包んだウェールズからもらった証を、ベッドに置いた。
そのとき、軽いノックが聞こえた。
「……」
ルイズの護衛につけておいたワインの蛇からの情報で、相手がルイズとわかったが、黙っていればもう寝たか、不在だと思って諦めるだろうと考え、返事をしないでいると扉が開けられた。
「やっぱり居たのね。あんたのことだから居留守しているんじゃないかと思って、正解だったわ」
そんなことを言いながら、ルイズは部屋に入り、サイトの隣りに座った。
「いやだわ……あの人たち……どうして、どうして死を選ぶの? わけわかんない…」
「もう、そんなやついないそうだぞ」
「え?」
(そういえば、ルイズはあの時居なかったんだよな)
「みんな、生きるために戦うそうだ」
「生きるため?」
「勝つとか、負けるとか、そういうことじゃない。生きるために戦う。そうするように叱っておいた」
「…そう」
ルイズは、サイトの言っていることの意味がよくわからなかった。だが、この使い魔は死しか見えていなかった彼らに、別のものを見せたということだけは、わかった。
「明日、おまえはオヒメサマの手紙を持ってここを発つ」
「ええ」
「そして、手紙を届ける」
「ええ」
「それがおまえのやるべきことだ。他のことばかり考えて、そういう大事なことを忘れるな」
「ええ」
ルイズは、サ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ