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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔8
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い、という性欲。
もっと金が欲しい、金欲や物欲。
そして、もっと生きたい、生き延びたい、という生存欲。
これがあるからそこ、生き物ってやつは生きていけるし、強くなれる」

そういうと、サイトはウェールズに背を向けた。

「死は敗北だ。どれだけ過程をがんばろうとも、死ねばそれは何にもならない。生きることこそが勝利だ」

サイトは振り向くことなくホールを出て行った。


―――――――――――――――――――――――


サイトは、廊下の窓から見える月を眺めていた。ただ、何も考えず、眺めていた。不意に足音に気づき、そちらを向くと、ウェールズが早足で向かってくる。
もう、何も言うことのないサイトはそれに背を向け、自室に向かって歩き出そうとした。

「待ってくれ!」

小走りしてサイトに駆け寄り、ウェールズはサイトの肩を掴んだ。

「少しいいだろうか?」

「無理やり止めといてそれはないだろう。っていうか、パーティの主役がこんなところにいていいのか?」

「すまない。どうしてもきみともう一度話がしたかった。それから、私は主役じゃないよ」

「…わかった」

両手を上げて降参のポーズをとると、ウェールズはついてきて欲しいと言って歩き始めたため、その後を追いかけた。
向かった先には壁があった。
ウェールズは懐から鍵を取り出すと壁のくぼみに鍵を差し込んだ。どうやらこの壁は、隠し扉だったようだ。
窓のない室内は真っ暗闇で何がどこにあるのかさっぱり分からない。夜目の利くサイトならまだしも人間であるウェールズは危なそうだが、彼はどこに何があるのか覚えているらしく器用に障害物を避け、部屋の明りを灯した。

「ここは宝物庫で、私の秘密の場所だ」

「…秘密基地か」

「クス、そうなるな。きみが出て行ったあと、君の言っていたことをバカにするものもいたが、多くは、きみの言っていたことをずっと考えていた。ある者は自分の妻を見ながら、ある者は料理を食べながら、それから、みなの顔から取り繕っていた表情が取れ、みなが本気でパーティを楽しみ始めていたよ」

「……」

「みな、きみの言っていた欲というもののために生きてみようと考えていた。私も考えた。だが、私にはその欲がなかった」

「オヒメサマともう一度会うためでいいじゃないか」

「いや、彼女はこれからゲルマニアの王の妻になる。それに…これは、ゲームだったんだよ。絶対に結ばれることのない男と女が、お互いに恋に憧れ、恋に恋し、愛と愛情を同一視した、いつか終わらせなければならなかったゲームだ。
そして、ついに終わりがきた。だから、彼女に会いたいなんていう理由は、許されない。だから…」

「ん?」

「だから、私と友達になってはくれまいか? 友と
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