暁 〜小説投稿サイト〜
オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔8
[1/9]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
起き上がったミズチオルフェノクは、トライデントで水をすくい上げた。飛び散った水滴たちがまるで弾丸のような速さで三体を襲う。センチピードオルフェノクはムチで水の弾丸をさばき、ロブスターオルフェノクはその陰に隠れる。

<『水を意のままに操る』という特殊能力と五感の鋭利さは上の上。それ故に彼は強いのです>

「ふ〜ん、でも、こんな水、ボクには何てことないよぉ」

弾丸が直撃した瞬間、ドラゴンオルフェノクの外装が吹き飛び、魔人形態から龍人形態へと変化し、魔人形態の長所であるパワーとガードを捨てる代わりに短所だったスピードを手に入れたドラゴンオルフェノクは、超高速の連続攻撃を叩き込むために加速した。

「あれ?」

加速したはずのドラゴンオルフェノクは、無様にミズチオルフェノクの足元に倒れていた。

「え? え?」

何故倒れているのか分からないドラゴンオルフェノクは起き上がろうとするも、起き上がれない。そのときになってようやく、ドラゴンオルフェノクは気がついた。足が膝下あたりからなくなっていたことに。

「う、うわぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!!」

「この部屋の水の掌握が終わった。遊びは、終わりだ」

ミズチオルフェノクがこの部屋に入って最初に発した言葉を聞くこともなくドラゴンオルフェノクは頭部にトライデントが突き刺さり、それを追うように、水の槍に、四方八方から獲物に群がる蛇のようにドラゴンオルフェノクに、襲い掛かり、あっというまに灰化させてしまった。
2体のオルフェノクは戦慄し、おもわず後ずさりする。そして、そのとき起こった水の音と先程のドラゴンオルフェノクの姿、村上の言葉、ないとは分かっていてもどこか水のない場所を思わず探す。
無論、そんな場所はない。
ミズチオルフェノクのマントの金具が外れ、首が伸び、四肢が変化する。飛龍形態へと変化したミズチオルフェノクは一度天を仰ぎロブスターオルフェノクに向かって口を開いた。その口から、極限まで密度を高めた水が放たれ、ロブスターオルフェノクを直撃した。尋常じゃない水圧を一点集中で叩き込まれたロブスターオルフェノクはその部分にぽっかりと穴を開けて倒れ、灰化した。

「ひ、ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

センチピードオルフェノクは尻餅をつき、後ずさりしながらムチをがむしゃらに振り回す。そんな適当な攻撃がきくわけがなく、ミズチオルフェノクは悠然と近づいてくる。

「た、たすけ…」

命乞いの声を上げようとしたセンチピードオルフェノクの頭をその強靭な牙と顎で食い千切った。
首を失ったセンチピードオルフェノクは大の字に倒れ、灰化した。


*********************


パーティは城のホールで行われた。
ジェームズ一世の言葉が終わり、貴族
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ