オルフェノクの使い魔7
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たちの契約者を口にするわけがない。むしろ、王党派だったということにして殺してしまえば、死体から金目のもの分捕った上に、貴族派に突き出して報酬ももらえて一石二鳥なはずだ。
それと最後に、誰一人としてルイズに手を出そうとしていないことだ。こんなまな板で色気のイの字も見当たらないB,W,H,がすべてイコールになりそうなほどだが、女は女」
「な、なんですってぇぇ!!!!!!!!!」
あまりのいいように状況を忘れてブチギレたルイズの叫びを無視して、サイトは続ける。
「こんな女っ気のない場所にいる連中が飢えていないはずがない」
「……」
「……」
「…ク、クハハハハハハハハ!!
君は軍師かい? なんて、推理なんだ。きみみたいな者が我々のもとにいてくれれば、きっとこんな日を迎えることなどなかったのだろう」
空賊の頭から姿に不釣合いな若々しく透き通る声が発せられ、笑いすぎて乱れた息を整えると、先程までのふざけた態度が消え、まじめな顔つきになった。それに康応するように、周りにいた男たちもニヤニヤ笑いをおさめ、一斉に直立した。
頭は頭から縮れた黒髪を取り、眼帯を外し、付け髭をはがした。現れたのは凛々しい金髪の若者だった。
「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……、本国艦隊といっても、『ジャガー』号や『ベアー』号などは落ちてしまい、すでに本艦『イーグル』号しか存在しない、無力な艦隊だがね。まあ、その肩書きよりもこちらのほうが取っているだろう。
アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」
さっきまで怒り狂っていたルイズは怒りを忘れ、口をあんぐりと開き呆然としていた。
「いや、大使殿には、まことに失礼をいたした。きみたちが王党派ということが、なかなか信じられなくてね。それで失礼ながら試そうとしだのが、そちらの聡明な軍師殿に軽々と見破られてしまった次第だ」
「軍師じゃないんだけど…」
サイトは、既にディナーテーブルから降りてルイズを連れてワルドのところまで下がっている。
まだ、あんぐりと口を開いているルイズの目の前で手を叩いてどこかを散歩しているルイズの魂を身体に戻す。
「ッ!? あ、あんた、さっきはよくも!!!」
「お目当ての皇太子さまの前だぞ?」
「ッ……!!」
ウェールズの前でサイトに殴りかかるわけにも行かず(さっきのことは忘れている)、ルイズは力いっぱいサイトをにらみつけるが、サイトはその視線を軽々と受け流した。
「アンリエッタ姫殿下より、密書を言付かってまいりました」
話が進まないため、ワルドは一歩前に出て優雅に頭を下げた。それから、一同の紹介を行い、ルイズをウェールズのほうへとうながした。
ルイズは慌てて、胸のポケットから手紙を取り出し、恭
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