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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔7
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。下を覗き込むと、白い雲が広がっている。船は雲の海を進んでいるらしい。

「アルビオンが見えたぞー!!」

見張りの船員の声が聞こえ、船員が指差す方向を見ると、雲の向こうから巨大な大陸が現れた。

「これは…」

「驚いた?」

「ああ、本で読んではいたが、こうまで凄いとは思っていなかった。これが浮遊大陸アルビオン、『白の国』か」

得意げなルイズの問いに素直に頷き、サイトはアルビオンを見入った。
そのとき、先程大声をあげた見張りの船員が再び大声をあげた。

「右舷上方の雲中より、船が近づいてきます!!」

その方向を向くと、一隻の船が近づいてくる。だが、その船は“船”というよりも“戦艦”だった。
船長は戦艦を貴族派のものだと判断し、自分たちは敵ではないと手旗で信号を送るが、戦艦から返信がこない。
見えなかったのか、それとも賊なのか、船長は確認のため、もう一度だけ信号を送る。だが、やはり返信されない。

「く、空賊か! 逃げろ! 取り舵いっぱい!!」

船長が判断を下し、声を上げたが、時すでに遅し。戦艦は威嚇射撃を一発だけ行うと停船命令を出してきた。
船長は助けを求めるように、隣りに立つワルドを見つめるが、船を浮かせるだけで手一杯らしく、首を振って応えられ、がっくりと力なく膝をつき、停船するよう指示を出した。


―――――――――――――――――――――――――――


抵抗することなく、とらえられたサイトたちは、船倉に閉じ込められた。ワルドとルイズは杖を取り上げられた。
することがないため、ワルドは興味深そうに、積荷を見て回っている。

「♪〜〜♪〜〜」

「いい曲ね。なんていうの?」

サイトが、口笛を吹いているとルイズが隣りに座った。

「峡児が吹いていたのを真似しただけで、曲名までは知らない」

「キョウジ?」

「俺の前の飼い主」

「恩師って人は?」

「恩師は恩師だ」

そんなことを話していると、扉が開き、太った男が、スープの入った皿を持ってやってきた。

「飯だ」

扉の近くにいたルイズが受け取ろうとすると、男はその皿をひょいと持ち上げた。

「質問に答えてからだ」

「言ってごらんなさい」

そういってルイズは、男を睨みつけた。

「おめえらは、アルビオンの貴族派かい? もしそうだったら失礼したな。俺たちは、貴族派の皆さんのおかげで、商売させてもらってるんだ。王党派に味方しようとする酔狂な連中がいてな。そいつらを捕まえる密命を帯びているのさ」

「じゃあ、この戦艦はやっぱり、反乱軍なのね?」

「いやいや、俺たちは雇われているわけじゃあねえ。あくまでも対等な関係で協力し合っているのさ。で、どうなんだ? 貴族派な
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