オルフェノクの使い魔7
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は避けることができた……水の流を感じた? いや、干渉はなかった。となると風か……。だが、アレを感知できるくらい優れた魔法使いが、あんな攻撃であっさりと身を引くのか?)
サイトは、襲撃者のことを考えたが、今は先を急ぐことが大事だとルイズをうながして、階段を上り始めたワルドを追った。
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船にたどり着き、王室の勅命であると船長を脅し、さらに風のスクウェアであるワルド自身が船を浮かす『風石』の役割をすることで風石の足りない分を補うことで、強引に納得させ、船を出港させた。
やることのないサイトとルイズは邪魔にならないように、すみの方に座り、慌しく動き回る船員たちを眺めていた。
「よくよく考えてみれば、あんたが私とワルドを乗せて飛べばよかったんじゃない」
「悪いな。人間、オルフェノク問わず、絶対に誰も背に乗せたりしないって決めているんだ」
「…なんでよ?」
「なんとなく」
「……最悪」
「そりゃ、どうも」
そんな会話をしていた二人に船長と話しこんでいたワルドがやってきた。
「船長の話では、ニューカッスル付近に陣を配置した王軍は、攻囲されて苦戦中のようだ。
ウェールズ皇太子は生きてはいるらしいが、詳しくはわからない」
「どうせ、港町はすべて反乱軍に押さえられているんでしょう?」
「そうだね」
「どうやって、王党派と連絡を取ればいいのかしら」
「中央突破しかあるまいな。スカボローから、ニューカッスルまでは馬で一日だ」
「いや、囮って手もある」
今まで黙っていたサイトが口を挟んだ。
「きみはボクの言ったことを忘れたのかい? すでに我々は半数を囮にしてしまっているんだぞ」
「半数じゃない。キュルケとタバサはあとから勝手にやってきた協力者だ。この任務を与えられ、この小隊に組み込まれた隊員ではない。つまり、囮として残してきたのはギーシュだけだ。もう一人囮にできる」
「ボクに囮になれと?」
「ああ。オヒメサマに勅命を受けたルイズは、(戦力外だから)除外。俺は使い魔だからな。ルイズから離れるわけにはいかない」
嫌味の入ったサイトの提案にルイズは眉をひそめた。
「……まあ、どう動くかは、スカボローについてから決めるとしよう」
そう言ってワルドは船を浮かせることに集中するために二人から離れていった。
「ワルドのことが嫌いだってことはよく分かったわ。でも、任務の間くらい仲良くしなさいよ」
「ムリだ。あいつは『嫌いな人間』だからな。触れたくもない」
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翌朝、サイトは眩しい光で目を覚ました。空を見上げると雲ひとつない
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