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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔7
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いきそうなギーシュをキュルケがおさえている。

「いいか諸君、このような任務は、半数が目的地にたどり着けば、成功とされる」

ワルドが低い声で言った。
こんなときでも本を読んでいたタバサが本を閉じ、自分、キュルケ、ギーシュを杖で指し「囮」と呟き、サイト、ルイズ、ワルドを指して「桟橋へ」と呟いた。

「待て、ここからの脱出ルートは裏口しかない。連中は戦いなれしているんだぞ。それぐらい気づいているはずだ」

「待ち伏せしている可能性があると?」

「ああ、正面は多数の傭兵と巨大なゴーレムがいる。あきらかにこちらのほうが危険だ、と言って裏口へ誘導しているようにしか見えない」

「では、他に作戦はあるのかい?」

「…ない。だが、隊を分けることには賛成しかねる」
(ここにいる他の貴族どもの無駄にあるプライドを刺激して乱戦に持ち込んでどさくさにまぎれて逃げるって手段もあるんだけど、さすがにOKされないよなあ……)

「考えもなしに批判されては、たまらないな」

「敵はプロだ。それも魔法使いとの戦闘に長けた。そして、あんたも魔法衛士隊っていうプロだ。プロの思考はプロ故に一定のパターンが生まれてくる。それを読んでいる可能性があるといっているんだ」

サイトとワルドの視線が絡む。お互い退くつもりはない。全員が不安げに睨み合う二人を見つめた。
ふと、サイトはルイズの方を向いた。

「…ルイズ、おまえが決めろ」
(こいつは、ルイズの言うことぐらいしか、耳をかさんだろうからな)

「え!? な、何で私が…」

「もともとこの任務を受けたのはおまえだ。おまえが決めたことならここにいる誰も文句は、言わない」

ルイズはここで自分にふられるとは思っていなかったため、混乱した。サイトもワルドも戦闘のプロであるが故に考えた策だ。
救いを求めるように無意識に動いた手が、近くにあった手を掴んだ。

「決まりだ」

「……わかった」

納得いかなそうな顔をしつつも、サイトは暗闇から飛んでくる矢を見つめ、飛び出すタイミングを測り始めた。
ワルドは嬉しそうに笑みを浮かべている。
ルイズが掴んだ手はワルドのものだった。

「援護は要らない。魔力の無駄遣いになるからな」

「わかった」

サイトは、うなずくタバサの頭をなで、キュルケの方を向く。

「ここは任せる」

「ええ、帰ってきたら、キスでもしてもらおうかしら?」

「いいぞ。足腰立たなくなってもいいならな」

「まあ♪」

わずかにあからめた頬に手を当ててキュルケが笑みを浮かべた。
ルイズは囮を努める3人にぺこりと頭を下げた。
最後に緊張でガチガチに固まったギーシュの肩を叩いてからサイトはテーブルから飛び出した。それに反応して大量
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