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オルフェノクの使い魔
オルフェノクの使い魔6
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わけがある」

「わけ? 言ってみなさいよ」

「昨日の襲撃者は、アルビオンから戻ってきた傭兵たちで、それをある女が雇って俺たちにけしかけたらしい。女のほうは調べきれなかった。
ただ…」

「ただ?」

「おかしいとは思わないか? 俺たちが任務を受け、出発したその日の襲撃されたんだぞ」

「?」

サイトが言いたいことが分からず、ルイズは首をひねる。

「情報の漏洩が早すぎる。俺はあのオヒメサマと知り合ってそう経ってはいないが、この任務をそうベラベラと周囲に話すとは思えない。そう考えると、話したのは俺たち、ギーシュ、オスマンのジジイと学院の一部、そしてワルドくらいだろう」

「と、とにかくワルドにも知らせないと」

「いや待て、最後まで聞いて欲しい。
俺たちに話す前に魔法による監視は、あのオヒメサマ自身で調べている。あのオヒメサマはそれなりのクラスの魔法使いなんだろう?」

「ええ、トライアングルだと聞いているわ」

「だったら、信用できるな。
次は、物理的な手段も考えられるが、扉はギーシュが張っていたから無理、窓は俺がすぐ側にいたんだ、気づかないはずがない。壁は石だ。盗み聞きはできない。実際、隣りに住むキュルケは任務についてまったく知らないようだしな。
となると、どこで漏洩したか? 機密情報が入ってくる確率など限りなくゼロに近い学院に潜入? ありえない。リスクは少ないが、見返りが望めない。
そうなると、おのずと答えが見えてくる」

「…ワルドが漏らしたとでも言いたいの?」

「確証はないし、もともとオヒメサマの側に潜伏していたねずみが、わざわざ学院にやってきたことに不信感を抱き、情報を掴んだ。という可能性もある。
しかし、やつの行動には不審な点が多すぎる。
俺は、もといた世界で大部隊の隊長をしていたから分かる。
準備不足での出発、隊員のことを考えない先行、任務中であるにもかかわらず仲間同士での戦闘、仲間同士の信頼をくずそうとするかのような言動。どれをとっても、とても隊長職を勤めている者がやることではない」

「……」

「だから、やつにはそれなりに警戒心を持って…」

「うるさいうるさいうるさい!! 
負けたからって相手のことを悪く言うなんて見損なったわ!! よくそんなこと平気でいえるわね!! 男として恥ずかしくないの!?
そんなのたんなる負け惜しみよ!!」

たんたんと述べるサイトにルイズは怒鳴ったが、サイトは顔色一つかえず、話を続ける。

「最初に言っただろ、確証はないと」

「もう、いいわよ!! あんたは月でも見ながら、ウジウジしていればいいのよ!!」

「こんなところで、痴話ゲンカするのは、どうかと思うわよ」

「……」

「!?」


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